2019-05-24

リワークデイケア「私のストレスコーピング」

皆さんごきげんよう、リワーク復職準備クラスのXです。
今回は私のストレス対策についてご紹介したいと思います。
以前の私は毎日反すうを繰り返し、発散の方法も知らず、ストレスを溜め込み苦しんでいました。
「反すう」とは、自分の欠点や過去の失敗等を何度もグルグルと考え続けることを意味しています。この状態が続くと、どんどん負のスパイラルに陥り、ネガティブ志向が強くなり、思考能力が下がってしまうなど、様々な問題を引き起こす、と言われています。
反すうへの対策として、活動クラスの「病気のセルフケア講座」において、ストレスコーピングについて学びました。

「ストレスコーピング」とは、心理学の用語で「ストレスへの意図的な対処」を意味します。
コーピングの目的はストレスとうまく付き合っていく事で、自分が何に対してストレスを感じているのかよく観察し、気づきを得てそれぞれのストレスに効果的なコーピングを行ない、ストレスに対処します。
講座では自分のストレスコーピングを、100個挙げ、その中から私が実践している、コーピングについてご紹介したいと思います。

(1)木刀の素振り
毎朝起床後、雨の日を除き、15~20分程度、黒檀の木刀を使って素振りをやっています。心を無にして剣に集中して素振りをしていますと気合が入り、清々しく1日が始まります。

(2)マインドフルネス
瞑想とヨガを基本とした心理療法の一つで、一瞬一瞬の呼吸や体感に意識を向けていきます。「思考は思考に過ぎず決して現実ではない。単なる心の中の出来事なのだ」とありのままに受け止めながら、「今に生きる」事のトレーニングを実践します。私は毎日就寝前、お香を焚き、静かな音楽を流しながら30~40分継続して行っています。始めてから2ヶ月程経過してから、反すうの回数が減ったことを確認できました。

(3)居合道の稽古
毎週土曜日、無外流の居合道場で稽古をしています。刀を鞘から抜いた瞬間に勝負が決まり、刀を抜く瞬間の動きこそが勝敗を決めるのが居合の理法です。他の武道と違い、相手がいて勝敗を競うのではなく、仮想敵を相手として克己心を養うことが出来ます。つまり、居合道の修業は「生死一如」「動静一貫」を目指す心身鍛錬の道であり、心が洗われる様です。

(4)刀剣鑑賞
私が居合で愛用している刀は、人間国宝の刀工の作で、無暇、無欠点の大変素晴らしい一振りです。刀剣を手入れしながら鑑賞するのは、私にとっては絵画や彫刻、陶磁器等の美術品を鑑賞する事と同じ感覚であり、刀剣博物館や刀剣美術館に出向いて、古代刀から現代刀に至るまで拝見していますと、時が経つのを忘れ、心も落ち着き、私の大切なストレスコーピングのひとつです。

(5)音楽鑑賞
主にクラシック音楽を聴く事が多いのですが、音楽は心を豊かにし、感性を高めてくれます。気分が落ちている時には、ヴェートーベンやブラームス、ラフマニノフの交響曲やピアノ協奏曲、ピアノソナタ等は重厚でテンポが良く、聴いていると気持に活力が湧いてきます。逆に高ぶった気持ちを落ち着けたい時には、流れるようなメロディラインが特徴であるシューマンの交響曲を聴いていると、心静かに落ち着きを取り戻します。

反すうはぼんやりしているとすぐに現れますが、行動をしている間は、自分の周囲で起こっていることに意識を向けるようにします。否定的な思考が浮かんできた時は「これは否定的な考えだ」と心の中で言葉で確認し、気付きを入れます。
以上に注意しながら意識的にストレスコーピングを継続して行った結果、反すうの回数が以前よりぐっと減ったことが自分でも実感できました。
今後も何に対してどのようなストレス反応を起こしているのかを観察し、ストレスコーピングの中から相性の良さそうなものを選択し、上手にストレスと付き合っていきたいと思います。