2023-05-08

第8病棟 急性期認知症病棟の取り組み~回想法②~

前回、回想法についての説明をしましたが、今回は第8病棟でどのように行っているかをお伝えしていきます。当院では、ご入院をされると一人一人の患者さんに対し、入院から退院までを担当する看護師が1名つきます。その担当看護師が主に回想法も担当いたします。

回想法には、大きく二つに分けて、グループを対象にしたグループ回想法と1対1で行う個人回想法があります。個人回想法は、対象患者さんとじっくりと向き合いお話ができますので、第8病棟では個人回想法を行うことが多いです。

場所は気負わずに落ち着いて話が出来るように、患者さんにどこで行いたいかをうかがいます。一般的には他の方の視線が気にならないように個室が望ましいとも言われていますが、患者さんにおたずねすると、二人きりの個室では緊張してしまうため、陽当たりのよいホールのソファや食堂をご希望される方がほとんどです。リラックスして色々なお話をしていただくことが大切ですので、ご希望に添って行っています。

回想法に使う材料は、ご家族にお持ちいただいた思い出の写真を使用することが多いです。

他には絵や音楽など様々です。今日のことや昨日のことをおたずねしても、「なんだったっけ?覚えてないなぁ。」とおっしゃる方でも、昔の写真を眺めると「懐かしい!このときはねぇ、〇歳のころで、こんなことがあったんだよ。」と目を輝かせてどんどん話が出てきます。

その表情や会話から、その方の考え方や好きなこと、これまでの人生について私たちも知ることができ、とても貴重な時間を過ごしています。