2026年6月23日

「おとなの発達障害専門外来」の開設のお知らせ

「なぜか生きづらい」
「人間関係がうまくいかない」
「仕事で同じ失敗を繰り返す」

近年、おとなの発達障害が注目されています。発達障害は大きく二つに分けられます。それは、注意欠如・多動症(ADHD)と、自閉スペクトラム症(ASD)です。

 ADHD は、不注意,多動性および衝動性が主症状で、ケアレスミス,無くし物が多い、人の話を最後まで聞けない、約束を忘れる、宿題ができない、じっとしていられない、 軽はずみな行動が多い、行列に並べないなどで気づかれます。ADHDは20人に1人の割合でいるといわています。

 ASD は、以前アスペルガー症候群と呼ばれていたものにあたり、そちらの呼び方の 方がピンときやすいかもしれません。ASD の方は、対人関係の障害、社会性の障害、コミュニケーションの障害、興味の限局、常同性(同じことを繰り返す)、こだわりなどを特徴とします。一般には“空気が読めない”、共感できない、会話がかみ合わない、こだわりが強く付き合いづらいなどで気づかれます。孤立しやすい傾向にあります。ASDは50~100人に1人の割合でいるといわれています。

 ADHD、ASD ともに、ある意味特性であり、多少は誰でも持っている部分でもあります。 しかし、その程度が強くなると、周囲との軋轢、孤立、自信喪失、ひきこもり、ギャンブル依存、自傷行為、うつ病などさまざまな問題を抱えて苦しむ傾向があります。ADHDとASDが併存することもあり、それぞれの強さで生きづらさの程度もかわってきます。

 また、ADHDとASDは基本的には幼少期から認められる特性ですが、おとな(成人)になるまで、何とか周囲の援助もあり大きな問題とならずに経過する場合があります。 しかし、おとなになり、社会に飛び出し責任のある立場になると、その特性が表面化・顕在化して、本人も周囲も困り、疲弊する事態になりえます。

 当院の「おとなの発達障害専門外来」では、おとなの発達障害の診断を慎重に行い、それぞれの方の“生きづらさ”をどう解決していくかを一緒に考えていく場としてお役にたてればと考えています。

 ご自分で、生きづらさを感じ、もしかして発達障害が関係あるのではとお考えの方は、直接当院に連絡していただいても結構です。
また、すでに、近隣の精神科・心療内科・メンタルクリニックに通院されていて、なかなかよくならない背景に発達障害があるかもしれないと疑われる場合は、担当先生から紹介していただくこともできます。その場合、内服調節などは通院中のクリニックで継続していただき、当院では必要な心理テスト等の検査を行い、発達障害の可能性を判定して、担当先生に情報をお返しします。

 なぜか生きづらい、人間関係がうまくいかない、仕事で同じ失敗を繰り返す、空気を読むのが苦手、片付けや段取りが苦手などの症状でお困りの方は、一度当院の「おとなの発達障害専門外来」を受診されてみてはいかがでしょうか。
 近隣の精神科・心療内科・メンタルクリニックの先生方からの紹介もお待ちしています。
完全予約制になりますので、ご希望の方は下記にお問い合わせください。

【お問い合わせ先】
戸田病院  事務部医事課(外来担当)
(代表)048-442-3824 音声ダイヤル 1

2026年5月8日

月経前不快気分障害(PMDD)専門外来開設のお知らせ

 月経前症候群(premenstrual syndrome: PMS)という病名は、古くから知られており多くの女性が月経前の数日間に、何らかの身体的・精神的症状を感じています。

 しかし、中には月経前の数日から10日間くらいに極端な抑うつ,極端な不安,極端なイライラ,著しい情緒不安定,極端な活動に対する興味の減退や集中力の減退を示す方がいます。

そういう重症型のPMSともいえる方を、月経前不快気分障害(premenstrual dysphoric disorder: PMDD)と呼びます。

 2013年に発表された米国精神医学会の作成したDSM-5という診断基準において,PMDDは正式な病名として,うつ病と同列に並ぶようになりました。

 また,PMDDの方は,月経がある女性の約5%程度に認められ,予想以上に多いといえます。

 PMDDはまだあまり知られていないせいもあり、月経前のみに起こる抑うつ,不安,イライラ,情緒不安定の理由がわからないまま一人で苦しんでいる方が多く認められます。中には、二重人格なのでは、パーソナリティ障害なのではと悩んでいる方もいます。イライラするせいで、パートナーなどに言いたくもないひどいことを言ってしまい(いわゆるディスってしまい)、後で後悔したりします。それを避けるために、月経前に人と会うのを避けひきこもる方もいます。

 当院のPMDD専門外来では、SSRI(選択的セロトニン再取り込阻害薬)という比較的副作用の少ない抗うつ薬の使用を推奨しています。SSRIを月経前の2週間だけ服用する間欠療法と連日服用する連日療法があり、症状の程度や起こり方により量や期間を使い分けます。場合によっては、症状がある数日だけの服用で効果がある方もいます。PMDDとちゃんと診断がつけられる限りSSRIの奏効率は80%程度にのぼるともいわれています。

 PMDDの症状でお困りの方は、一度当院のPMDD専門外来を受診されてみてはいかがでしょうか。当分の間、大坪天平院長が対応します。

簡易チェックシート(PDF)はこちら

 

完全予約制になりますので、ご希望の方は下記にお問い合わせください。

【お問い合わせ先】

戸田病院  事務部医事課(外来担当)

(代表)048-442-3824 音声ダイヤル 1

【お知らせ】

大坪院長が、睡眠専門医渥美正彦先生のYouTube番組に出演しています。

2026年9月19日

インフルエンザに負けない過ごし方

 こんにちは、男性開放病棟です。

 インフルエンザと聞くと、秋頃から気温の低下や乾燥した日が続くと感染される人が増えて、冬に流行のピークを迎える印象が強いと思います。

 今年の夏は全国的にインフルエンザの感染報告件数が多く、8月31日~9月6日の埼玉県内の定点医療機関から報告された感染患者数が799人、一つの定点医療機関が4.57人となっています。例年より早い流行入りとなり、感染しないように対策する必要があります。

 当病棟に入院中の患者様は日中外出する方が多く、外出先でインフルエンザに感染する可能性があります。普段の体調管理に加え、外出後の手洗いうがいやマスクの着用、関節痛や咳・喉の痛みなど普段とは違う体調不良がある時は無理して外出しないように呼び掛けています。

 夏の暑さも和らぎ、お散歩するのにちょうど良い季節が来ます。患者様が楽しく過ごせるように努めています。

2026年9月3日

グループホーム ~個別支援計画から生まれた「楽しみ」~

 グループホームでは、利用者様1人1人の希望や生活状況に合わせて、「個別支援計画」を作成しています。個別支援計画とは、利用者様が「どのような生活を送りたいか」「どんなことを大切にしたいのか」といった思いや希望をもとに、必要な支援を一緒に考えていきます。

 今回は、その一例を紹介します。

 Uさんは、地域生活を楽しみたいという思いがある一方で、「何をしたら楽しいのかわからない」という悩みがあります。そこで、職員と一緒に普段の会話の中から興味のあることや、やってみたいことについて話し合い、より地域生活が楽しめるように個別支援計画に「休日の楽しみを見つける」ことを目標として設定しました。まずは職員が一方的に提案するのでなく、本人からの「やってみたいこと」、「興味のあること」を伺いながら一緒に楽しめそうなことを探しました。

 その中で近隣の施設でコンサートが開催されることを知り、「行ってみたい」という思いに繋がりました。残念ながら人気のコンサートだったためチケットを取ることができませんでした。しかし、「自分の身近な地域にこういう楽しめるものがある」というお話があり、これまでよりも地域での生活を前向きにとらえるきっかけとなりました。

 今回のように個別支援計画は目標を達成することだけが目的ではありません。ご本人の「やってみたい」、「興味がある」という思いを一緒に探し、見つけていくことも大切な支援です。

 楽しみながら目標を達成する体験は暮らし全体へのモチベーションを高め、次の一歩を踏み出す力になります。私たちはそんな利用者様のいきいきした毎日をこれからも一緒に支えていきます。

2026年9月1日

暑い夏こそ生活リズムを整える

 厳しい暑さが続いています。夏は気温や湿度の上昇により体力を消耗しやすく、睡眠や食事のリズムが乱れたり、熱中症のリスクが高まったりする時期でもあります。そのため、こまめな水分補給や適切な室温管理、十分な休息を心掛けることが大切です。

 男性開放病棟(第2病棟)では、患者さんが規則正しい生活を送りながら、自ら健康管理を行う力を身につけられるよう日々の声掛けや、外出時に患者さんの様子を確認し外出時の注意事項を確認する等支援しています。特にグループホームへの退院を目指されている方にとって、生活リズムを整え、体調の変化に気付きながら日々を過ごすことは、地域で安心して生活するための大切な土台となります。

 暑さ対策を実践しながら、「自分でできること」を一つずつ増やし、それぞれの目標に向かって歩みを進めています。今後も患者さん一人ひとりが自分らしい地域生活を実現できるよう支援を続けてまいります。

2026年8月30日

散歩のもたらす効果について

 こんにちは、女子開放病棟です。

 当病棟にご入院中の患者様の楽しみの一つとして散歩があります。

 病院周辺をウォーキングされる方、近隣のお店に行き買い物を楽しまれる方など散歩の理由は様々です。ゆっくり風景を見ながらぶらぶら歩く事で気分転換になり、景色を見ながら散歩することでリラックス効果も期待できます。患者様の外出前の表情と外出後の表情を比較すると、外出後の表情の方が明るく、外出先での出来事など楽しそうに教えてくださいます。また他の患者様と会話をされる時の話題作りにもなっているようです。散歩を習慣化する事で足の筋力アップの効果も期待でき、体を動かす事で運動不足の解消にもつながります。

 夏の暑い時期での散歩は出かける時間帯を選ばないと体調不良につながる可能性があります。当病棟では、出来るだけ気温の高くない時間や風通しの良い涼しい服装や帽子や日傘使用の提案を行ない、患者様が体調を崩さず安全に散歩を行なえるように取り組んでいます。

2026年8月27日

パ・タ・カ・ラ体操でお口の健康!

 第8病棟では、食事の前にパタカラ体操を実施しています。

 パタカラ体操は、唇や舌、口の周りの筋肉をしっかり動かすことで、食べる・飲み込といったお口の健康を維持・向上することを目的としています。

 年齢と共に、口の周りの筋肉や舌の動きは少しずつ衰えていきます。

 毎日の習慣でパタカラ体操を取り入れ、健康なお口づくりを意識してもらう取り組みを行っています。

「パ」・・・唇の力

「タ」・・・舌前方の力

「カ」・・・舌の奥の力

「ラ」・・・舌を動かす力

 毎日の「パタカラ」で、いつまでも元気で健康なお口を目指しましょう!

2026年8月26日

認知症の患者様ついて

 こんにちは。第10病棟です。

 第10病棟は亜急性期から慢性期の認知症の患者様をお引き受けする病棟です。認知症の患者様は、不安や混乱、環境の変化などをきっかけに、興奮や徘徊、拒否、昼夜逆転などの行動・心理症状(BPSD)がみられることがあります。

 当病棟では、こうした症状を単なる「問題行動」と捉えるのではなく、その背景にある思いや身体の不調、生活環境などの要因を丁寧に考えながらケアを行っています。患者さん一人ひとりの生活歴や性格、習慣を知り、その方に合った声かけや環境調整を行うことで、不安の軽減や安心感につながるよう努めています。

 また、スタッフ間で日々の様子や対応方法を共有し、多職種と連携しながら非薬物療法を中心とした支援を実践しています。医師の指示のもと、必要に応じて薬物療法も適切に取り入れながら、患者さんの尊厳を守り、その人らしい生活を支えられるよう取り組んでいます。これからも安心できる療養環境づくりを大切にし、一人ひとりに寄り添った認知症ケアを実践してまいります。

2026年8月23日

療養病棟の夏 ~暑い季節を快適に過ごしていただくために~ 

 こんにちは、療養病棟です。

 療養病棟では長期にわたり入院されている患者さんに対し、季節の移り変わりを感じていただけるように季節に合わせた病棟の飾り付けやレクリエーションを行っています。

 レクリエーションではひまわりや朝顔などの花や山や海など季節感を感じていただけるよう会話の中に取り入れながらコミュニケーションをとって工夫しています。

 また快適に過ごして頂けるよう水分補給の声かけや室温の管理など体調の変化にも注意しながら日々のケアを行っています。

 療養病棟では患者さん一人ひとりの体調や生活リズムを大切にしながら安心して穏やかな入院生活を送っていただけるようスタッフ一同取り組んでいます。

 これからも季節を感じられるよう取り組みを大切にし、患者さんの笑顔につながる時間を作っていきたいと思います。

2026年8月21日

月経前の不調を訴える患者さんへのアプローチ

 こんにちは。第5病棟です。

 月経前に生じる心身の不調は、月経前症候群(PMS)や、特に精神症状が重篤な月経前不快気分障害(PMDD)が疑われます。患者一人ひとりによって症状の出方や辛さのバランスが大きく異なるため、多角的な視点からアプローチが必要となります。

 当院では、PMDD外来で専門的な治療が行われていますが、女性病棟においても女性特有な症状でお困りの患者さんがいらっしゃいます。そのような患者さんに対して月経周期を把握し、月経前に生じる症状がその人に及ぼす影響をアセスメントし、症状悪化を予測した計画的な介入が出来るように取り組んでいます。 

2026年8月18日

心理教育ミーティング

 こんにちは、戸田病院心理室です。

 今回は第1病棟(急性期治療病棟)で行っている「心理教育ミーティング」についてご紹介します。

 このプログラムは再発予防を目的に、精神科における治療や服薬の重要性、ストレス対処や退院後の生活について、1クール全5回のプログラムを行っています。先日、1クールの最終回を迎え、「退院後の生活」について考えました。

 退院後、どこでどのように過ごしていくのかを具体的にイメージしながら、通院先や生活する場所だけでなく、日中の過ごし方や困ったときに相談できる相手などについて患者様に考えていただきました。

 退院後の日中の過ごし方については、家事や仕事、勉強など様々なことが挙げられ、入院前の生活に戻していきたいという思う一方で、元の生活に戻れるか不安と話される方もいらっしゃいました。また、まだ退院後の生活をイメージすることは難しいと感じている方もいらっしゃり、それぞれがご自身の状況にあわせて退院後の生活について考える機会となっていました。

 また、退院後の生活に不安を感じている方に向けて、当院のデイケアについてもご紹介しました。実際にデイケアの職員に参加してもらい、デイケアでの活動内容や利用について説明していただきました。

 入院をしている間から退院後の生活を具体的にイメージすることは、退院後の環境や生活の変化に備え、自分の症状や服薬との向き合い方、困った時の対処法を考えるきっかけになります。こうしたプログラムを通して、退院後の生活の不安を減らし、再発予防につなげていければと考えています。

 これからも、退院後の生活を安心してスタートできるよう、ご自身や生活について考えるきっかけとなるようなプログラムを行っていきたいと思います。

戸田病院 心理室

2026年8月10日

ストレスケア病棟での疾患・治療理解

 こんにちは 戸田病院静養病棟(ストレスケア病棟)です。

 静養病棟ではうつ病・適応障害・神経症等のストレスを受け心身症となった患者様を対象とする専門病棟です。静養病棟ではその名の通り、静かな療養環境を提供しております。また、治療プログラムの一環として疾患理解のため集団認知行動療法を実施しております。

 一方で、医療や看護は日々変化し常に新たな治療法が更新されています。

 今年度より静養病棟では患者様だけでなくスタッフのための疾患理解・精神看護のためのOJT(職場内訓練・研修会)を開催しています。医師・看護師ともにより病気・治療について理解を深め、新たな知識を更新することで、より個別的な治療環境を作りたいと考えております。

 今後も精神科病院のスタッフとして専門性を持って患者さまとかかわり、医療・看護を提供致していきたいと思います。