急性期治療病棟

精神科の治療においても早期発見早期治療が重要です。当院「第1病棟」はそのコンセプトにもとづき、急性期病棟に特化した治療の枠組み(病棟)になってます。

第一に、「急性期治療病棟」としての認可を受けており、定床60床に対し病棟専属医師4名、看護師23名を配置し、万全の治療体制を用意しております。

第二に治療機能としてはクリニカルパスを活用したチーム医療で濃厚な初期治療の充実をはかってます。

また、当院独自の治療ツールとして「PICU室」があります。PICUとはPsychiatric Intensive Care Unitの略称で精神科集中治療室のことです。ナースステーションに隣接した施錠可能な個室であります。病的混乱状態を、身体的治療・看護を介しながら、少数特定のPICUスタッフとの関係に転化させ、治療的に関与してゆくことが出来る、という治療メリットがあります。

統合失調症の新規入院者の殆どはこの病棟に入院し、その大半は数ヵ月以内に軽快し、退院となってます。

急性期入院治療の目的は単に急性期の症状をとるだけでなく、患者の疾病特性の解明、脆弱性の補強、環境調整、再発防止策などを講じ、退院後の生活がその人なりに円滑にゆくようにするところにあります。

ただし、真に深いところの治療は数ヵ月で果すのは困難です。外来治療やデイケア治療で行うのが現実的であり、また多くの方々がそうされております。その場合、入院治療から外来治療への治療の流れを中断させることなく、治療内容も質的に変化なく継続させることが、その患者さんのその後の生き方を良くも悪くもするカギなのです。けれども、このことが意外と知られておらず、なおざりにされてしまっているのは大変残念なことです。

当院では総体的、継続的に治療を進めてゆくことを「一貫医療」と名づけ、基本手法として最大限大事にしている次第です。