患者さんの中には内科的疾患を合併されている方や、なかにはベッド上で自力体位変換が困難な患者さんもいます。そのため作業療法士は、精神面だけでなく身体面の治療にも携わります。今回は作業療法士の立場から、ポジショニングについて紹介したいと思います。
ポジショニングは、クッションなどを使用し、適した姿勢(体位)を安全で快適に保持することをいいます。また、体位変換は、体重がかかって圧迫されている身体の部位を、身体の向いている方向、頭の角度、身体の格好、姿勢などを変えることによって移動させることをいい、どちらも一体的に取り組んでいく必要があります。
自力での体位変換が困難な患者さんは、床ずれ(褥瘡)や関節拘縮の危険性が高まり、また、体力、筋力、心肺機能、嚥下機能等の身体機能の低下だけでなく、意欲や認知機能等の精神機能の低下など様々な弊害をもたらします。そのため、このようなポジショニングは重要です。そのため、病棟スタッフのみならず、作業療法士も必要に応じて体位変換やポジショニングを行っています。
たとえば写真のようにクッション等を使用し、膝関節内側の除圧と、軽度屈曲位、尖足防止になるようにすると同時に、30度程度の背上げにより下肢に荷重が移動し上半身の筋緊張が低下するようにしています。

また、ポジショニングだけでなく必要に応じて関節可動域訓練などの身体面へのリハビリや、ただ姿勢を作るだけでなくその姿勢で楽しめる時間、心安らぐ時間を作るために音楽鑑賞など精神面へのリハビリも行っています。作業療法では、心も身体もリハビリテーションを行います。
患者さんの状態は、ひとりひとり異なっており、必要な対応も様々になりますが、快適さや活動性の向上のため、これからも病棟スタッフと連携、協力しながら努めていきたいと思います。
作業療法室