静養病棟『心理のつどい』のご紹介②
数か月前にご紹介させて頂いた、静養病棟で行なっている『心理のつどい』。前回は季節柄体調の優れない方が多かったのですが、今回はたくさんの方がプログラムに参加され、暖かで有意義な時間を過ごせましたので、その様子を紹介したいと思います。
今回は、前半で桜をはじめとした季節の花をテーマにした話題を提供しました。特に桜は皆さんにとっても身近なものですので、桜の話題になると「去年シルバーカーを押した母と桜の木の下を散歩しました」と回想される方もいれば、「やっぱりお花見、宴会だよね」とウキウキした表情を見せる方がいらしたり、「桜って入学式でしたよねぇ」等々、と自然とそれぞれの体験と桜の思い出を重ね合わせられていました。
また後半では「色」に関する質問をし、用意した色画用紙から答えに当てはまる色を選んでもらうというゲームをしました。「好きな色は?」の質問に「亡くなった主人が好きなので赤ですね」とご主人との思い出を回想される方がいらっしゃいましたし、「着てみたい服の色は?」の質問に男性が「黒がいい」と答えると「そうね、あなた似合いそうねぇ。でも私はオレンジよ(笑)」と他の方の趣味指向に関心を抱いたり、参加者同士で積極的にコミュニケーションを取られる様子が見られました。
身近な桜や色を話題としたこともあるのかもしれませんが、いつにもまして皆さん積極的で、生き生きとした表情を浮かべられていました。皆さんの素直な感覚や気持ちが感じられたひとときでした。今後もこうした皆さんが感覚や気持ちに触れていく中で、認知機能の回復や自尊心・自立心の向上に一助担えればと思います。