ゲームで楽しみながらリハビリを!

 ゲームには「人の知的好奇心をあおる力」、「人を夢中にさせる力」があると言われています。まだまだ医療現場での研究調査は少ないですが、ゲームは脳機能を活性化させ、注意機能や手と眼の協応動作の能力を向上させるといった効果の報告もあります。

 当院では、このゲームも作業療法に取り入れています。

 ボウリングやチャンバラなどのゲームをジョイスティックコントローラーで操作し、患者さん同士で競うことでいつもとは違う刺激の獲得、興味関心の幅を拡げるきっかけづくりに繋げています。患者さんの感想としても好評でして、笑顔で楽しまれる様子が多く見られ、チャンバラゲームなど戦略性の高いゲームは特に熱心に取り組む様子が見られます。

 リハビリは1、2回で終わりではありません。継続は力なりと言うようにリハビリは継続させることに意味があります。時間もかかりますし、治療者、患者さん共に根気も必要です。たまには休みたい気持ちも当然生まれると思います。リハビリへのモチベーションを保ち続けるのは大変なことです。だからこそ作業療法では、一見息抜きをしているような遊びをリハビリに繋げるプログラムも行っています。

 今後も楽しみながら健康になれるような工夫を、作業療法室として日々考えていきたいと思います。

作業療法室の取り組み

 作業療法は患者さんの「生活」を支える治療です。

 精神科では主にプログラムを通じて、生活リズムの構築や対人関係への適応を支援し、退院後の生活につながる力を育てます。当院では入院中から、基本的動作能力・応用的動作能力の向上に加え、社会生活に向けた準備性を高める関わりを行い、その人らしい生活の実現を目指しています。

 当院の大きな特徴は、入院作業療法に22名の作業療法士が在籍している点です。

 精神科病院において、入院作業療法だけでこの規模の人員体制は非常に珍しく、手厚い支援体制を実現しています。この体制を活かし、当院ではすべての患者さまに対して日常的に個別性のある関わりを提供しています。精神科領域の入院作業療法では、個別対応が特別な指示や必要時に限られることも少なくありませんが、当院ではそれを特別なものとせず、日々の標準的な関わりとして実施している点も大きな特徴です。

 また、これらの支援は経験だけに依存するものではなく、行動療法や作業療法理論などの治療的根拠に基づいて構成・実施しています。

 当院では、充実した人員体制と根拠に基づく支援により、患者さま一人ひとりに合わせた作業療法を提供しています。

心と身体のリハビリテーション

患者さんの中には内科的疾患を合併されている方や、なかにはベッド上で自力体位変換が困難な患者さんもいます。そのため作業療法士は、精神面だけでなく身体面の治療にも携わります。今回は作業療法士の立場から、ポジショニングについて紹介したいと思います。

ポジショニングは、クッションなどを使用し、適した姿勢(体位)を安全で快適に保持することをいいます。また、体位変換は、体重がかかって圧迫されている身体の部位を、身体の向いている方向、頭の角度、身体の格好、姿勢などを変えることによって移動させることをいい、どちらも一体的に取り組んでいく必要があります。

自力での体位変換が困難な患者さんは、床ずれ(褥瘡)や関節拘縮の危険性が高まり、また、体力、筋力、心肺機能、嚥下機能等の身体機能の低下だけでなく、意欲や認知機能等の精神機能の低下など様々な弊害をもたらします。そのため、このようなポジショニングは重要です。そのため、病棟スタッフのみならず、作業療法士も必要に応じて体位変換やポジショニングを行っています。

たとえば写真のようにクッション等を使用し、膝関節内側の除圧と、軽度屈曲位、尖足防止になるようにすると同時に、30度程度の背上げにより下肢に荷重が移動し上半身の筋緊張が低下するようにしています。

また、ポジショニングだけでなく必要に応じて関節可動域訓練などの身体面へのリハビリや、ただ姿勢を作るだけでなくその姿勢で楽しめる時間、心安らぐ時間を作るために音楽鑑賞など精神面へのリハビリも行っています。作業療法では、心も身体もリハビリテーションを行います。

患者さんの状態は、ひとりひとり異なっており、必要な対応も様々になりますが、快適さや活動性の向上のため、これからも病棟スタッフと連携、協力しながら努めていきたいと思います。

作業療法室

12月の作業療法室の活動

女性の閉鎖病棟である第5病棟の作業療法では、患者様の気分転換を図る目的で、中庭に出ています。

この日は天候に恵まれ、外の空気がとても気持ちの良い日でした。中庭に植えてある銀杏の葉やどんぐりを拾い、可愛らしいブーケにしてみたり、影遊びをしたりと、女性ならではの和気あいあいとした楽しい時間を過ごしました。

後日改めて患者様と感想会をしたところ、『落ち穂、ひろって集めし、冬の月の晴れ』と素敵な詩を作り上げてくださいました。また、『集まれば集まるごとに力有り』との一文を考えてくださり、この一文の通りに今冬の寒さ、世の中の大変な状況を、患者様と職員の力を合わせて毎日を乗り越えて行けたらと思います。

今後も屋内外での活動を通し、患者様の笑顔を引き出す作業療法プログラムを提供していきます。

 

11月作業療法室の活動

今月の作業療法室の活動は、第7病棟(療養病棟)の作業療法プログラムで行っている口腔体操を紹介します。

プログラム内容は6種類用意しています。口腔体操というと口周りの体操というイメージがあると思いますが、口や顔周りの体操だけでなく、全身を動かす体操も行っています。
中でも歌に合わせて体を動かす音楽体操は好評です。音楽体操は毎月季節に合った歌を用意しています。
歌が入ると、懐かしさも出てただ体を動かすだけよりも皆さん笑顔で唄ったり、歌に合わせて積極的に体を動かす様子が見られます。
これからも、患者さんが笑顔で楽しく身体を動かせるプログラムを実施していきたいと思います。

10月作業療法室の活動

今月は、第3病棟(男性閉鎖病棟)で行っている作業療法プログラムであるグループ活動を紹介します。

 

第3病棟の作業療法では、毎週水曜日に患者さんが中心となりイベントの企画を行う‘戸田の泉’というグループ活動を行っています。
これまでに料理や写生大会など様々なイベントを企画してきましたが、現在はレクレーションとして的あてゲームを企画しています。
お手玉を投げて、的に当てて得点を競うという企画で、その的を手作りで制作中です。皆で協力し合って集めた材料に、これから絵を描いたり、得点を決めたりして仕上げていく段階です。
これらが出来上がって、実際にゲームを行えるのが楽しみです。皆のチームワークでその日まで頑張りたいと思います。

 

9月作業療法室の活動

今回は、第1病棟(急性期病棟)の作業療法で行ったオリジナルカレンダー作りを紹介します。
絵柄の選択や切り取り、色塗り、クラフトパンチを用いての飾りの制作など準備段階から多くの方に参加頂きました。
黙々と集中して作業を進める方もいれば、互いに作品を見せ合い、話をしながら楽しげに進めている方もいました。その中で患者様同士が話し、「それいいですね。」とアイディアを自身の作品に取り入れていることも見受けられました。

仕上がったものは自室に持ち帰り、使用されています。
作業療法士に色々と要望を伝えてくださる方もおり、今後も各々の個性が発揮・主張できる活動を行っていきたいと思います。

 

8月作業療法室の活動

今月は第8病棟(ストレスケア病棟)で行った作業療法プログラムでもある、簡単クッキングを紹介します。

簡単クッキングは、退院した後自宅で家事をする患者さんの練習として行うリハビリプログラムです。久しぶりにキッチンに立ったという方が多いので、調理するものは簡単なものにしています。今回はどらやきを作りました。ホットプレート使ってみんなで調理したこともあり、「楽しかった」「自宅で子供に作ってあげたい」など前向きな声が多く聞かれました。スタッフも患者さんと一緒に作ることが出来、楽しめました。患者さんもいつも以上に笑顔の方が多く、みなさん気分転換になったようです。

7月作業療法室の活動

今回は第6病棟(女性開放病棟)の作業療法プログラムで行った、絵葉書作りを紹介します。

絵葉書作りでは今回暑中見舞いを描きました。

同じ絵柄ですが、色遣いや墨のかすれ具合等、描いた人によって個性が出でおり、どれも素晴らしい作品です。絵柄は“涼しさに癒されたい”、“コロナ禍の世の中に新しい風を”と皆で話し合い、決めました。出す相手へ思いを馳せながら、筆を動かす時間は貴重で、とても素敵なものとなりました。

4月作業療法室の活動

今月のは、第2病棟(男性開放病棟)で行っている園芸活動を紹介します。
園芸活動では、昨年から育てている玉ねぎの収穫を行いました。昨年の秋に植え付けした玉ねぎが春になり、見違えるほど大きくなったため患者さんも驚いていました。収穫時期が遅れたためか、葉の部分が成長しすぎて実も小ぶりでしたが、患者さんとのミーティングの結果、調理プログラムでお好み焼きを作ることとなり、園芸に参加するメンバーも楽しみにしている様子です。