2019-08-19

社会技能訓練

今回は、当院開放病棟で週に1度行っている「SST(社会技能訓練)」の最近の活動をご紹介します。このプログラムでは退院後の生活を視野に入れ、地域でより過ごしやすく生活できるようコミュニケーションの向上を目指した取り組みを行っています。プログラムでは、毎回1つのテーマ、例えば「上手に断る」、「わかりやすく言いたいことを伝える」、「会話を続ける」などに沿って、どのようにすれば上手くコミュニケーションできるのかを学び、練習していくことを中心に行っています。

まず獲得したいスキルについてコツをお伝えし、それを実際にはどのように使うのか、具体的な場面を設定してお見せします。例えば、「上手に頼む」というテーマでは、この時期多くの患者さんが病室のエアコンの温度を上げたり下げたりしたい時に躊躇してしまうということだったので、そういう場面を設定しました。実際のやり取りを目の前で観察した後、患者さん同士がペアになって同じ様にそのスキルを使ったやりとりを実践します(ロールプレイ)。その際、参加者同士でよかったところを見つけ、コメントを出し合います。例えば「伝え方が柔らかい」、「間の取り方が絶妙」、「視線が合っていた」などのコメントなどがあがります。こうしたフィードバックがあると、患者さんは「これでいいんだ」という自信を得ることができます。このようにグループで取り組むことで相互作用が生まれ、お互いの力を高められることが期待できます。また、できたら日常生活の中でもスキルを実践するように促し、次の回ではその成果を報告し合います。

このように患者さんが毎回楽しくSSTに参加できるように心理士や看護師で力を合わせてやっています。