今回は週に一度認知症病棟で行っている集団精神療法についてご紹介します。
このプログラムは「日時と場所の確認」から始まり、「今月の歌」として季節の歌を歌ったり話をしたり、クイズ等を通して楽しみながら、認知機能の維持や改善、意欲の向上を目的として実施しています。
この日は30日。30日は「みそか」と読みますので毎月30日は「みその日」だそうです。そこで、味噌にちなんで、味噌汁の具と言えばどんなものを思いつくかうかがったところ、「大根」「わかめ」「豆腐」などたくさん挙げていただきました。ご自分では思いつかなくても他の方が挙げた具の名前を聞いて、うなづいたり相槌を打ったりされる方もいらっしゃいました。このようにお題から連想されるものを答えていく連想ゲームをこの会ではいくつか行いました。皆さん一生懸命考えてくださり、中には会を進行しているスタッフも思いつかないような答えを発言してくださる方もいらっしゃいます。「乗り物と言えば?」という問いに対し、「渡し舟」と粋な答えを出してくださった方に、周りの方々も感心したような表情をされていました。
認知機能が衰えてくると抽象的なことを言われてもピンとこないことが出てきます。例えば「甘い物があるよ」と言われ戸棚を開けておまんじゅうを見つけても、“甘い物=おまんじゅう”だと気づかず「ない」と思ってしまうのです。連想ゲームは、楽しみつつも衰え始めた機能の活性化と他の方とのコミュニケーションのきっかけになることを目的として、提供しているプログラムのひとつです。
今後も、入院患者様の認知機能の維持や改善を目指し、さまざまなアプローチを取り入れながらプログラムを提供していきます。