2022-10-01

心理室

 心理室では、病棟でのグループ活動の一環として、患者様と毎月の暦を追ったり、テーマを決めて語り合ったり、季節に合わせた創作活動、レクリエーションなどを行っています。

 先日は、芸術療法の一つである「なぐり描き法」を体験していただきました。芸術療法は、言葉ではなく創作活動を通して自己表現をすることで心の健康を回復することを目指しており、創作活動そのもののリラックス効果やリハビリテーション効果もあるとされています。なぐり描き法にはいくつか種類がありますが、今回は患者様同士でペアになっていただき、2人が交互になぐり描きと色づけを行う「スクイグル法」に取り組みました。

 画用紙に描かれた線を見て、すぐに思いついて色をつけ始める方、一体何に見えるだろうとじっくり考える方、そもそもどのようななぐり描きをするのか悩む方などさまざまなご様子でした。最終的に皆様の思い思いの絵が完成し、他の方の発想やその違いを楽しんだり、自由に描くことの難しさを体感したりしておられました。

 言葉で表現することが苦手な方でも、描線や色、形の中で気持ちを表現し、それを相手に渡すことができ、また作品の創作や振り返りの過程で気持ちを整理していくことができます。今後も、こうした活動を通して患者様がご自身への理解を深めたり、心身のバランスを保ったり、ひいては患者様同士のコミュニケーションに役立てたりしていただければと考えています。