第1病棟(急性期病棟)において、先日の心理教育ミーティングでは、「退院後の生活」をテーマにプログラムを行いました。
まず前提として、身体的な病気・症状と同様に退院して治療が終わるというのではなく、その後も通院による治療を継続し、より一層の状態の安定を目指していくこととなります。特に退院してすぐは自分が思っている以上に体力が落ちていたり、環境の変化により生活リズムが安定しないものです。また元の生活に戻らねばと思うほど、焦りから調子を崩してしまうかもしれません。より一層の安定と日常生活を取り戻していくために、退院直後の時期はとても大切なリハビリの期間となります。
大切なリハビリの期間だからこそ、入院中から退院後の生活を想定しておく必要があります。プログラムでは、身の回りの生活環境(住む場所、通院・通所先など)を設定し、退院後1カ月ほどの日中のスケジュール、思い描く退院後の生活をイメージしてもらいます。大抵の方は先々のことを見通せていないことが多く、何をして過ごしたらいいのか戸惑われます。しかし、主体的に退院後のご自身の生活について考えるきっかけになればと考え、プログラムの中では先述した最小限のことだけでもイメージしてみています。またプログラムの中でイメージしたものは、これから退院準備を進めていく過程で修正したり、細かな部分を検討することをおすすめしています。
治療や今後の方向性について、「聞かなければ知らないことが多かった。参加できてよかった」との声を患者様からよく聞きます。このプログラムで情報提供したり振り返りを行うことで、患者様が主体的に治療に参加できるきっかけとなることが望まれます。