先日、男子開放病棟にて心理教育ミーティングを行いました。
初回は「精神科の症状と治療」をテーマに、『症状』の出てくる背景について知り、また自分の症状について関心を持ってもらうことがねらいとなります。
初めに、精神科の治療の対象となる『症状』について、知っているもの、見聞きしたものをあげてもらいました。
考えてもらっている途中で、ある患者さんが「『症状』って、『病名』・・・とは別ですか?」と質問されました。
なかなか良い質問ですね。実は『症状』と『病名』はなかなか区別しづらいところかと思います。
『病名』は、同じような症状や状態の人をグループ・カテゴリー別にまとめているもの
『症状』は、“どのようなことで困っているのか”、“違和感や不快感があるのか”
になります。
その患者さんはすぐにピンときて
「自分には妄想があって、嫌がらせを受けていると思ってしまって、色々やってしまって・・・」
「でもその前に不安とかイライラもあったかな」
とさっそくご自分のことに結びつけてお話しされました。他の方も「体が動かなくなる」「眠くなる」と振り返られました。
治療について考えるとなると、どうしても『病名』が先走る感はあります。
『症状』(自分の困っていること)に対してどのように取り組んでいけばよいかを考えると、自然とご自身へと関心が注がれていく様子がよくわかります。
さらに『症状』をよくするだけではなく、退院後を見据えてそれを取り巻く“きっかけ”や“原因”にも焦点を当てながら、参加される患者さんの自己理解を深められるよう努めてまいりたいと思います。