2025年11月18日

第8病棟のご紹介~非薬物療法・環境調整について~

第8病棟は、認知症の急性期治療を行う病棟です。不眠、興奮、怒りっぽい、食欲低下、気分の落ち込み、などの認知症の周辺症状があり、日常生活にお困りの方が多く入院されています。また、認知症の疑いがあり、精査目的で入院を希望される方もいらっしゃいます。

認知症の周辺症状に対しては、薬物療法よりも、非薬物療法を優先して行うことが効果的とされています。

第8病棟では、認知症の患者様に対する非薬物療法として、環境調整、作業療法、音楽療法、嚥下訓練、運動療法、回想法、現実見当識訓練などを、個別性に合わせて組み合わせ、多職種で連携し実施しています。

今回は、環境調整についてご紹介させていただきます。

第8病棟は、ボートコース沿いの3階に位置しております。

春になると対岸に咲く満開の桜を観ることができます。戸田花火大会の日は、盛大な花火を間近で鑑賞できます。ボートレースがある日やボート練習をしているときには、一緒に応援を楽しんでいます。

大きな窓からは、晴れの日は暖かい太陽の光、雨の日はザーザー、ポツポツといった雨の音。屋内にいても、季節や天気を感じられる環境となっております。

お部屋は1人部屋、2人部屋、4人部屋があります。ナースステーションに近いお部屋、トイレに近いお部屋、食堂に近いお部屋など、患者様のご希望やご状態に合わせてご案内しています。

ぐるっと一周できる回廊式の廊下の幅は、車椅子がゆうゆうとすれ違えるくらい広くスペースをとってあります。

環境調整とは、このような設備面だけでなく、認知症の患者さんが、安心して治療を受けられるための職員の関わりや、患者さん同士の関係性の援助もあります。

患者様のその人らしさを大切にした関わりを基本姿勢とし、周辺症状に対して、どうしてそのような症状が現れているのか、患者様の思いに寄り添う看護に努めています。

また、安心して入院生活が過ごせるよう、アルツハイマー型認知症に効果的と言われている、「なじみの関係」を大切にしています。

上記のように環境を整えるだけで、周辺症状が改善される方も多くいらっしゃいます。