前回に引き続き、認知症に関することをお話していきたいと思います。
今回のテーマは、「認知症でみられる症状 ~行動・心理症状(周辺症状)~」です。
認知症でみられる症状は、「中核症状」と「行動・心理症状(周辺症状)」に分けることができます。今回は、その中でも行動・心理症状についてお話をいたします。中核症状については、前回の記事で説明していますので、よければご一読ください。
認知症の行動・心理症状(BPSD)は周辺症状とも呼ばれており、中核症状が元となって、行動や心理症状に現れるものです。本人の性格や環境、心理状態によって出現するため、人それぞれ個人差があります。病気をよく理解して適切に対応したり、リハビリなどを行うことで、改善する場合もあります。
図にもまとめてみましたが、行動・心理症状には以下が含まれます。
・徘徊:家の中や外を絶えず歩き回る
・妄想:現実には起きていないことを信じて疑わない
・幻覚:現実にはないものが見える幻視、聞こえる幻聴がある
・不安・焦燥:強い不安、イライラ
・抑うつ:気分の落ち込み、意欲の減退
・食行動異常:食べられないものを食べようとする
・睡眠障害:昼夜逆転、早朝覚醒など
・介護抵抗:介護されることを嫌がる
・暴言・暴力・攻撃性:強い怒りを見せたり、手をあげたりする
行動・心理症状の出現には、冒頭でもお話しましたが個人差があります。周囲が適切にサポートすることや本人が安心して生活できるような工夫をしてあげることで、症状が改善することがあります。
行動・心理症状が出現する原因が介護する側にあることもあります。何度も同じ事を聞かれると介護する側は「またか」という気持ちになり、イライラして「さっきも言ったでしょ」など、本人とっては大事なことだから、聞きたかったのに、強い口調で返されたり、そっけなくされると不安が強くなったり、逆に怒りの感情が強くなったりなど、行動・心理症状の悪化につながります。
大事な予定はみんなで見れるカレンダーに書いておく、ご本人の話を最後まで、真剣に聞くことができるように、自分の気持ちに余裕を持つ、余裕が持てるように適切に介護サービスを導入する。といったことが大切になります。
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
次回の内容は、「症状が見られた時の対応方法について」です。
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