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- Ⅱ.コロナ後遺症
新型コロナウイルスの後遺症の原因は明確になっていない中、様々な症状に苦しんでいる方々がいます。
PCR検査で陽性が判明し、嗅覚と味覚に違和感が発生しその後回復した、28歳女性の実体験から、食材や調理法にどのような変化があったのかを紹介します。
陽性判明からの味覚・嗅覚の異常
<味覚と嗅覚の感じ方の変化>
①陽性判明の日から5日・・・無味無臭。
②5日~10日・・・味覚・嗅覚少し戻る。少し味を感じる。バナナが美味しいと感じる。
③10日~3週間・・・食べられるものが増えてきた。
④3週間~4週間・・・美味しいと感じるものが増えてきた。
⑤4週間~6週間・・・味覚は8割ほど戻った感覚だが、嗅覚はまだ6割ぐらい。
<食材別の感じ方>
・ふわふわしている食べ物 (パン、カステラ、ドーナツなど)
スポンジを噛んでいるような感じ。モサモサする。
・硬い食べ物 (おせんべいなど)
突起物を噛んでいるような感じ。せんべいは苦い。
・弾力のある食べ物 (肉、ちくわ、かまぼこなど)
グミを噛んでいるような感じ。飲み込めない。
<美味しく感じられなくなった食べ物>
味噌や醤油で味付けされた料理、燻製系の食べ物、ハンバーグ、シュウマイ、チョコレート、コーヒー、ドレッシング類
<辛いもの、酸味の強いもの>
舌が敏感になり、食べられない
<比較的、苦労なく食べられたもの>
◎めんつゆなどの「だし」、高粘度の調味料「ケチャップやソース」、酸味の強くない「ポン酢」
◎バナナ
◎苦味が少なく、甘さが強いもの:「かりんとう」など
<<本人の声>>
「陽性と診断され、無味無臭と自覚したときはショックが大きかったです。食べ物と目で認識しているものの、匂いと味がしないとただの固形物を口にいれているかのようで、なかなか飲み込めませんでした。毎回食べるのに倍以上の時間を要し、大好きな食事の時間が初めて苦痛と感じました。
5日を過ぎた頃から少しずつ味を感じはじめ、かすかではありましたが“バナナが美味しい”と感じられるようになってきました。3週間を超えてくると、美味しいと感じられる物も増えました。嗅覚の方が、味覚よりも戻りが遅く、鼻先まで近づけなければ何の匂いかわからないことがあります。」
味覚障害の方へのお食事について
コロナ後遺症による味覚障害については、わからないことも多く、また個人による感じ方の差も様々といわれており、その方の感じ方にあった対応が必要ですが、いくつかの共通点もあるようです。
具体的なお食事提供の提案について、次回のコラムでお伝えします。
医療法人高仁会 戸田病院