今回は閉鎖病棟合同SSTの活動についてご紹介します。
SSTとは、社会生活を送る上で必要なコミュニケーションスキルを向上させていくプログラムです。閉鎖病棟合同SSTでは、開放病棟へ行くことを目指し、自分の気持ちや意見を伝える練習、上手く断る練習など、日常生活で必要な様々なコミュニケーションについて練習しています。
この日は「上手に頼みごとをする」というテーマで練習を行いました。まずは普段の様子について各自で振り返ります。「上手く頼みごとができる」方もいれば、「出来ていないかも」と自信のない方もいました。相手に頼みごとをする時のポイントを確認し、それに基づいてどんな風に頼んだらいいかリーダー(スタッフ)がロールプレイを行ないます。今回の頼みごとの内容は「シーツ交換をしたいけど、一人では大変だから手伝ってほしい」という、病棟生活の中ではよくある場面です。メンバーはロールプレイを見て、「ポイントを守れていた」「相手の方を見て伝えられていた」など意見を出し合います。中には、リーダーのあまりの演技力の高さに(?)、その役者ぶりをほめてくれる意見も出されました。
イメージを掴んだところで、今度はメンバー同士で練習を行います。最初は決められたフレーズをもとにロールプレイをし、頼む側、頼まれる側両方の体験をし、やってみてどうだったかを共有します。その後は、同じ場面で、自分だったらどんなふうに伝えるかを考えて再度ロールプレイをしてみますが、ポイントはわかっていても、自分の言葉で伝えるとなると悩んでしまうメンバーの方もいました。
練習後には、「こういう時にもっと丁寧な頼み方をしたいんだけど、どうしたらいいだろう?」との疑問や、「相手にお願いしたいことはあっても、こんな事情があってなかなか頼みづらい」など、“頼む”ということに関して、普段の生活の中でメンバーの皆さんが感じている様々な意見が出されました。次回は出されたこれらの意見をもとに、どうしたらその気持ちが伝わるか、こんな時はどうしたらいいかをプログラムの場で考え、一緒に練習していきながら、“頼む”というコミュニケーションスキルをさらに磨いていきたいと考えています。