2020-01-06

心理室の活動

今回は開放病棟の心理教育ミーティングについてご紹介します。

開放病棟では、退院後の生活を見据えて心理教育ミーティングを行っています。心理教育とは、病気や疾病に関する必要な知識や情報を知ってもらう機会を広げ、障害や病気を抱えた人がどのようにその問題や困難に対処していくか一緒に考えていくプログラムです。協働して考えていくことでこの先に対する見通しを立てたり、問題に取り組みやすくなると言った効果も確認されています。当院では急性期病棟のほかに、開放病棟で退院準備に向けた取り組みを始めている患者様を対象に当プログラムを実施しています。

今回は「薬について」話題提供しました。精神科の治療において基本となる薬物療法について、どのような効果を感じているのか、逆にどのような疑問や不安を抱えているか取り上げていき、継続的に服薬治療を受けていくのに必要な知識や情報を伝えていきます。今回参加されていらっしゃる患者様は、「躁とうつの幅が狭くなった」「誇大妄想に左右されていたが、それが和らいで生活しやすくなった」「入院前ストレスを感じてテレパシーが聞こえるようになったが、服薬するようになってそれがなくなり、雑誌を読んだりすることができるようになった」など、服薬する前と後での変化をきちんと言葉にして表現することができていました。このように服薬に関して一定の効果を自覚でき、言葉で表現できることは、この先継続して服薬していくのに非常に大きな動機づけとなります。しかし一方で薬には辛い副作用もあり、それで悩まされる方も多くいらっしゃいます。また不安な点は持っているけれどもなかなか相談しづらかったり、自分の経験していることが副作用なのかどうかさえも自分ではよくわからないといった意見もあがりました。

次回はこの副作用や薬に関しても疑問や不安な点について、薬剤師とともに討議し、少しでも継続して治療を受けられたり、自分自身の症状を振り返られる動機づけができればと考えています。