急性期認知症病棟(第8病棟)では、入院患者様に対して医師による薬物療法に加え、薬物を使わない個別リハビリテーション療法を行っています。
今回はそのなかの一つ、回想法についてご紹介いたします。
回想法とは、アメリカで生まれた心理療法です。
主に高齢者を対象として、人生の歴史や思い出を受容的・共感的な態度で傾聴することを基本的姿勢とし、ご自身の過去や思い出を話していただくことで、精神的な安定が得られ、認知機能にもよい影響を与えるとされています。
ご高齢の方は最近のことはよく覚えていないけれど、昔のことについてはよーく覚えているという方が多くいらっしゃいます。また、昔の同じ話を何回も繰り返しお話しされる方も
いらっしゃいます。その内容については、良いこともそうでないことも様々にありますし、ご本人にとって重要なこともそうでないこともあるようですが、「昔を思い出し、話す。」ことに意味があると考えられています。
第8病棟では、入院時や入院中に、昔の写真や思い出の物を持参していただくよう依頼させていただいております。
なかには、物としては何も残っていないという方もいらっしゃいますが、好きだった歌や趣味についてご存知でしたら教えていただいています。
次回は、具体的な内容についてご紹介したいと思います。