2024-03-24

SST「上手に断るにはどうしたらいいだろう?」

こんにちは、戸田病院 心理室です。心理室では各病棟の特徴・特性に合わせた

心理プログラムを主治医の指示に従って患者様とともに実施・実践しています。

今回は、第2病棟(慢性期男子開放病棟)で実施している「SST(ソーシャルスキルズトレーニング)」についてご紹介します。

 「SST」とは、社会生活を送る上で必要なコミュニケーションスキルを向上させていくためのプログラムです。退院後の生活を見据え、「頼みごとをする」「自分の気持ちを伝える」など人と円滑なコミュニケーションを結ぶことを目標に、ロールプレイをメインとして練習に取り組んでいます。

先日は、「上手に断る」練習を行いました。いつも、同じテーマを2~3週に渡って取り上げ練習するのですが、このテーマでの練習は今回で3回目、皆さん断るポイントがつかめてきたようです。ロールプレイの後には、「“申し訳ないんだけど”って言葉は断る時は大事だよね」「なんでだめなのか理由がわかるといいよね」などの感想が出されました。

また、応用編としてこんな問題を出題しました。

『Aさんが診察の順番を待っていると、Bさんが「早く診察を受けたいから順番代わって」と言いました。Aさんは、診察後に出掛けたいと思っています。どう言って断りますか?』

「順番は順番だからね。ごめんね」、「この後用事があるから代われないよ」、「自分が何もなければ、理由を言ってくれたら交代するかも…」等、皆さんポイントを踏まえながら意見を出し合い、上手に断るにはどうしたらいいかを考えました。相手の意見に「うんうん」と頷くメンバーもおり、SSTで練習しているスキルが少しずつ身についてきている様子も見られました。

プログラムで学んだことをすぐに日常生活に活かしていくことはむずかしいかもしれませんが、繰り返し練習することでコミュニケーションスキルを高めていければと思います。