2017-01-31

静養病棟での集団精神療法のご紹介

今回は、当院静養病棟で週に1度行っている集団精神療法の活動をご紹介します。

高齢者の認知機能改善に期待できるアプローチとして「回想法」というものがあります。これは、昔を回想して懐かしい思い出を語り合う、話す、聞くというものです。これにより脳が刺激され、精神状態を安定させたり、認知機能の維持や改善も期待できると言われています。

特に認知症の患者様は、比較的昔のことをよく覚えていらっしゃる方が多いため、普段はあまりお話されない方でも昔のことになると会話に参加されたり、興味を持たれたりする様子が見られます。ここでも“子どもの頃の思い出”をテーマに患者様から「集団疎開をした」、「お金がなかったから物々交換をした」、「家できょうだいと遊んだ」、「友だちと電車に乗って町まで出かけて遊びに行った」など当時を振り返って意見を出してもらいました。

会の最後には毎回皆で昔の歌を歌います。
今の時期は「こがらし」や「冬景色」、「ゆきやこんこん」など冬の歌が中心になります。患者様にとって子どもの頃に歌った馴染み深い歌なので、大きな声で歌ってくださいます。