2017-12-22

12月 心理室活動報告

<12月 心理室活動報告>
今回は当院認知症病棟で週に1度行なっている集団精神療法の活動をご紹介します。
ここでは、季節のお話や歌、クイズ等を通して、患者様が楽しみながら認知機能の維持や改善、意欲の向上を目指すことを目的としています。

いつもプログラムの最初は、日付と場所の確認から始まります。認知症の方の中には、「今日は何月何日か」「ここはどこか」がわからなくなることがあります。そのため、最初にしっかりと確認をすることで、「今日は12月なんだ」ということを意識して頂きます。すると自然と「もう師走だね」「今年も終わるね」とお話が広がっていくきっかけにもなります。

続いては、その時期にちなんだ歌を歌っていきます。どんな歌にするかは、ご参加の患者様と相談しながら決めます。12月は「ふじの山」を歌っています。歌詞の中には“青空高く そびえたち からだに雪の きものきて”とありますが、病棟から見える富士山は、今まさに歌詞の通り、雪化粧した姿がとても綺麗です。「今朝は綺麗にみえた」と歌から思い出して教えて下さる患者様もいらっしゃいます。

プログラム後半では、毎回ゲームやクイズを行なっています。この日は「ことわざクイズ」です。
スタッフ:「早起きは?」 患者様 :「三文の得」
スタッフ:「亀の甲より」 患者様 :「年の功」
このような感じで進めていきます。徐々に慣れてきたら今度は、
スタッフ:「〇〇〇三文の得。〇〇に入るのは?」 患者様 :「・・・。早起き!」
一見簡単そうに見えるかもしれませんが、パッと答えることは意外と難しいものです。しかしその分、正解を思い出せた時は嬉しくなります。また、一人では考え付かなくても、参加者皆さんで考えることで正解を導き出せることも多くあり、難問を解決できた際には自然と拍手が沸き起こります。

認知症病棟では、このように“楽しみながら”を大切に、活動を行なっています。