2021-12-28

Ⅱ.コロナ後遺症 第3回 コロナ後遺症に対しての戸田病院入院患者様への食事療法について(前篇)

楽しみだった食事の時間が苦痛になることは、後遺症の回復にとって、大きな課題です。この課題を少しでも緩和できるように、コロナ後遺症による味覚障害を訴える方のお食事に、次のような提案をしたいと考えます。

コロナ後遺症による味覚障害の方への献立に対する考え方

以下の4つの項目について、それぞれの症状に併せた対応を考えていきます。

(1)形態 (2)量 (3)調味料 (4)食材

(1)形態
味覚が鈍っている方にとって、固形物をそのまま召し上がることは苦痛である場合があります。
食材を1㎝角の刻んだ「刻み食」の形態で咀嚼の苦痛を和らげ、とろみをつけた調味料などをコーティングするなどの工夫で、味を感じやすくするようにできると考えています。

(2)量
味覚がない人にとっては、一度に多くの量を食べるのは、つらいものです。
一度の食事で提供する品数や量を調整して、少量でも高カロリーを摂取できるゼリーをつけたり、おやつの時間などに、デザートを提供するなどで必要なカロリーを接収することができます。

(3)調味料
コロナ後遺症の特徴として、味を感じないというだけでなく、今まで美味しかったものが違った味に感じるようになり、食べられなくなってしまうというような事例が多く報告されています。
カラダの変化によって苦手になった調味料の使用を避け、代替調味料での美味しさを感じられるように、個人ごとに聞き取りを実施して、その時の状態に合う調味料を選んで工夫していきます。

(4)食材
苦手な食材についても、できる限り、その時の患者様の感じ方にあわせて、代替食材を使用します。
例えば、ベーコンなどの燻製臭が苦手になっている状態の方には、同様のたんぱく源として挽き肉や卵などを使用して、栄養のバランスを整えた献立を提供していきます。
また、味覚の回復に効果があると言われる「亜鉛」や「鉄」などを多く含む食材(ツナや卵など)を、適切に調理して、積極的に使用していくことも有効です。

コロナ後遺症による味覚・嗅覚の変化は、個人により様々です。上記の4つの切り口から、患者様の状態に合わせた対応を考えていきます。次回は、退院後の生活でも役に立てるような提案を紹介します。