2022-01-11

Ⅱ.コロナ後遺症 第4回 コロナ後遺症に対しての戸田病院入院患者様への食事療法について(後篇)

楽しみだった食事の時間が苦痛になることは、後遺症の回復にとって、大きな課題です。今回は、退院後の生活でも役に立つ工夫について、ご紹介します。

<具体的な調理・提供について>

コロナ後遺症による味覚障害は、「嗅覚」の異常に、大きく関連していると考えられています。
「風味」の回復を促す観点では、以下のような点に気を配ったお食事提供が有効と考えます。

(1)「うま味」(だし成分)の活用
「うま味」は、塩味や甘味に比べて、感受性が強いため比較的認識しやすいと言われています。
減塩献立などにも積極的に利用されている「うま味」は、肉・魚・しいたけや昆布などから抽出される「だし」から感じる美味しさのことです。英国で発表されているコロナ対策料理レシピでも、「UMAMI」として、その活用を推奨しています。

(2)香辛料・ハーブ等による刺激
胡椒・七味唐辛子・わさび等の香辛料の適度な使用は、味覚障害の治療食でも有効であると言われています。クローブなど、はっきりとした香りのハーブは、嗅覚トレーニングに使用されています。

(3)提供温度の注意
提供される温度も、味の感じ方に大きな影響を与えます。同じ食材でも、温かいときと冷たいときでは味の感じ方が全く違うと思った経験があると思います。コロナ後遺症による味覚障害では、温かい汁が不味くて飲めないといった声も多く挙げられているようです。

コロナ後遺症による味覚障害に悩む患者様の対応については、管理栄養士を中心に栄養士と調理師が一体になって、チームで取り組みます。
個別の聞き取りをもとに、食材や調味料、調理方法を個別に検討して、回復のお役にたつお食事を提供していきたいと考えます。