2024-06-11

Ⅲ.認知症 第17回 「生活場面での工夫について~その2~」

前回に引き続き、認知症の方と生活していく上で、ご家庭で出来る工夫を考えてみましょう。前回も申しましたように、環境の変化に敏感になっている場合が多いので、出来ることを少しずつとなります。

まず気持ちよく用を足せるよう、トイレに着目してみましょう。

トイレは1日に何回も使用しますので使いやすくすることが大切です。

手すりはもちろんのこと、和式の場合は身体への負担も大きいので、介護が始まる前に洋式に取り換えてしまっておく方が良いでしょう。

トイレ内も明るめの照明にして床に段差を極力なくし(マットにつまづくこともあります)スリッパもあれば履いてしまうという動作がリスクを生みますので、置かない方が良いようです。スイッチやレバーにも色つきテープなどで目立つよう、目に入るよう工夫しましょう。ドアの鍵もかからない工夫も必要です。

次に浴室は洗い場の滑り止めマットを敷き、洗い場の床には石鹸などの小物は置かない方が良いでしょう。補助椅子(できれば脱衣所にも)、補助椅子は浴槽の縁と同じ高さが移動しやすいようです。もちろん、浴槽の中の床にも滑り止めマットがあるとよいでしょう。

トイレも浴室も1人で入ることが出来る場合は、そっと見守りましょう。

生活環境は工夫次第です。

認知症の進行とともに苦手なことが増えていきますし、困ることもあるでしょう。普段から専門医や主治医、ケアマネ、地域包括支援センターなどの医療・介護の専門職と連携を取って、認知症の進行によりどのような医療が必要で、どのような介護が望ましいのか相談しておけば、慌てずに生活することが出来るでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回は、「言葉がけの工夫」についてお話ししたいと思います。

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