人は加齢により身体の能力は次第に落ちていきます。これはごく自然なこととも言えます。
90歳で身体も丈夫で健康な方もいらっしゃいます。しかし、日常生活には支障はありませんが、記憶もあいまいなことも出てきたりするでしょうし、身体や筋力も同様で若いころと同じというわけにはいきません。
脳について考えてみますと、物事を頭や身体で覚えた情報(記憶)をしまっておく脳にある箱には、膨大な情報が残されています。(その情報を取り出す能力やスピードには個人差はあります)
しかし、認知症の発症により、その箱に支障をきたすと情報を取り出す力が阻害され、更に新しい情報も箱にしまえないことになります。
また、箱に穴が開いてしまい、今までの情報も少しずつこぼれていくのです。(特にアルツハイマー型認知症の場合)
同じことを聞いたり、思い出せない、忘れてしまう、ということはこのようなことが起こっているのです
まず、おかしいと気付くのは本人ですし、不安な時間を過ごすことでしょう。
そして時間の経過とともに周りの家族や友人なども本人の違和感に気付くでしょう。
認知症サポーター養成講座を受講されておくなど、基本的な認知症の知識があれば、慌てず余裕を持った対応も出来るのではないでしょうか。
どうしよう、困った、様子がおかしいから病院に行こう・・・などと、突然言われてしまうと、本人は違和感がありつつも認めたくない気持ちもあるでしょうし、不安な時間を過ごしてきています。
まずは、本人が安心できる言葉かけから始め、現在の本人の様子を客観的に把握することが大切です。
その際に、基本的なことですが、人は物事を考えたりする過程で様々な「タイプ」があります。
例えば、「そのことは聞いたことがない」という言い方をなさる方でしたら聴覚的なタイプであり「そのことは見たことがない」でしたら視覚的なタイプから入られる方など、いろいろなタイプがあります。
どのようなタイプかは本人の家族を含め周りの方が一番理解されていることでしょう。話が1番入りやすい話しかけ方が良いでしょう。
言葉かけ1つにおいても丁寧な接し方が本人の安心感に比例します。
その安心感は、その後の医療や介護へスムーズに移行できる手段でもあります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回は、「本人の気持ちの理解」についてお話ししたいと思います。
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