2024-07-02

Ⅲ.認知症 第20回 「気持ちの理解」

認知症の人はなぜわがままを言うのか? イライラして怒りっぽくなってしまうのか? など相談時によく質問されることがあります。

認知症に罹患してしまった場合、初期に必ずサインがありますので見逃さないことが大切です。

その時に基本として考えていただきたいことがあります。

MCIの時期もそうですが、そこからコンバートしてしまい認知症の初期などの場合、高齢な方ですと言動に違和感を感じても周囲は年齢相応と考えがちです。しかし、最初に「何かいつもの自分と違うような」変化に気付くのは周りの方ではありません。ご本人です。

ご本人は違和感ありつつも、家族や周りの方に迷惑はかけまいと言動に敏感になっているでしょう。

 当たり前のように出来ていたことが苦手になってきたり、周囲の人から聞かれた内容が理解できず戸惑ってしまったり、日々不安を感じています。

そのため、そういう状況に自分が立たないようにする振る舞いが強い拒否反応として出現したり、思うようにいかずイライラすることがふえるのです。これは1つの防衛反応と言えます。

 自分を守るための反応が増える傾向にありますので安心できるよう声かけを心がけましょう。

 気をつけなくてはいけないのは突然の話しかけです。これは前触れもないことですので理解できる内容でもご本人は混乱してしまうでしょう。

 本人の見える視線で優しく短い言葉でゆっくり声をかけましょう。

 行動しなくてはならない時も認知症により理解が苦手になっていくことは前提に、「これからなにをするのか」を事前(直前)に説明しましょう。

 「不安」が多い中で生活されていることは理解しておきましょう。

それは認知症に限らないことだと思います。ご高齢の方への話しかけも同様にしていきましょう。

 認知症でない方でも老化により次第に脳は委縮していきますし、苦手なことが増えていくことは自然の摂理でもあります。

ご本人の「尊厳は大切に」していきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回は、「認知症と診断されてから ~サービスの利用まで~」についてお話ししたいと思います。

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