2024-07-09

Ⅲ.認知症 第21回 「認知症と診断されてから ~サービスの利用まで~」

家族が認知症と診断されて介護を必要とする状態になったときに、ご家族だけで介護をすることは、なかなかできることではありません。仕事や子育てがある中で介護との両立をしなければならない、遠方に住む家族へ介護が必要となったなど、そのようなときに介護保険や医療保険を使ったサービスを利用することができます。

今回は、介護サービスを受けるまでの流れについてお話していきたいと思います。

  • 要介護認定の申請

介護保険のサービスを利用する為には、要介護認定の申請が必要となります。市区町村役場の介護保険課、地域包括支援センターが申請の窓口となります。

  • 認定調査・主治医意見書

申請が受理されると市区町村などの認定調査員が自宅や施設などを訪問して、普段の生活の様子や運動機能、認知機能などを調査します。かかりつけ医や指定された医師に主治医意見書の作成が必要です。

  • 審査判定

一次判定として、調査結果及び主治医意見書の一部の項目がコンピューターに入力され、全国一律の判定方法で要介護度の判定が行われます。二次判定では、一次判定の結果と主治医意見書に基づき、介護認定審査会による要介護度の判定が行われます。

  • 認定

認定は、非該当(自立)、要支援1~2、要介護1~5の段階で判定されます。

認定された後も、状態の変化に合わせて区分変更の申請が可能です。また、有効期限があるため、有効期限内に認定の更新手続きが必要となります。

  • 介護・介護予防サービス計画書の作成

利用を開始する場合は、ケアプラン(介護・介護予防サービス計画書)の作成が必要となります。要支援であれば、地域包括支援センターへ相談し、要介護1~は介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる、市区町村の指定を受けた居宅介護支援事業所(ケアプラン制作事業者)へ依頼します。

  • 介護サービスの利用開始

ケアプランに応じた介護サービスの利用が開始となります。

認知症と診断されたご本人は、自身の変化や今までの生活からの変化に戸惑い、不安に感じている為、サービスの利用に納得できなかったり、拒否を示してしまったりということがありますが、家族の介護疲れによって本人ともども生活が崩れてしまっては元も子もありません。ご本人も安心して生活を送ることが出来るように、介護をする家族が適度な余裕を持つことが必要となります。介護保険のサービスを利用することによって、余裕ができることがメリットといえるのではないでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回は、「利用できるサービス」についてお話ししたいと思います。

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