2019-07-13

集団精神療法

心理室の活動

今回は、当院静養病棟で週に1度行っている集団精神療法の活動について紹介します。

ここでは、入院集団精神療法“心理のつどい”を行っています。静養病棟の入院患者様に多い軽度の認知症状のある方向けに、認知機能の回復をめざしたプログラムを提供しています。

認知症の記憶障害の特徴として、最近のことは思い出せないが昔のことは思い出せるというものがあります(ただし、認知症が進むと昔のことも忘れてしまわれる症状も出てくることもあります)。会では昔を思い出し、言葉にしてもらうことを促すためにさまざまなきっかけを提供しています。

この日はとあるアーティストの記念日でしたのでご紹介しました。アーティストの名前だけだと思い出せなかった方が多かったのですが、音楽を流すとリズムを取り出す方や「あ~」と思い出したようにお声を上げる方もいらっしゃいました。音楽を聴いてからもう一度尋ねるとほとんどの方が聞いたことがあると手を挙げてくださいました。「兄が好きだった」とお話される方もいらっしゃいました。

プログラムの後半では毎回ゲームやクイズを行っています。最近ですと「連想ゲーム」が盛り上がります。司会者がお題を出し、そのお題から連想されるものを患者様に考えていただくゲームです。例えば「おでんの具」というお題で連想されるものを考えた方から早い者勝ちで答えてもらうのです。ホワイトボードを埋め尽くすまでですから、後半は皆さま悩まれるのですが、スタッフのヒントも利用しながら毎回ホワイトボードいっぱいに答えてくださいます。他者と共にゲームを楽しむことも良い刺激となります。

静養病棟での“心理のつどい”では、季節にちなんだ内容や歌、ゲーム、その日に起きた出来事等のご紹介などを通して、四季を感じたりゲームを通して他者と交流したり過去を振り返ったりすることで認知機能の維持や改善、意欲の向上をめざしています。