閉鎖病棟合同SST

今回は閉鎖病棟合同SSTの活動についてご紹介します。

SSTとは、社会生活を送る上で必要なコミュニケーションスキルを向上させていくプログラムです。閉鎖病棟合同SSTでは、開放病棟へ行くことを目指し、自分の気持ちや意見を伝える練習、上手く断る練習など、日常生活で必要な様々なコミュニケーションについて練習しています。

この日は「上手に頼みごとをする」というテーマで練習を行いました。まずは普段の様子について各自で振り返ります。「上手く頼みごとができる」方もいれば、「出来ていないかも」と自信のない方もいました。相手に頼みごとをする時のポイントを確認し、それに基づいてどんな風に頼んだらいいかリーダー(スタッフ)がロールプレイを行ないます。今回の頼みごとの内容は「シーツ交換をしたいけど、一人では大変だから手伝ってほしい」という、病棟生活の中ではよくある場面です。メンバーはロールプレイを見て、「ポイントを守れていた」「相手の方を見て伝えられていた」など意見を出し合います。中には、リーダーのあまりの演技力の高さに(?)、その役者ぶりをほめてくれる意見も出されました。

イメージを掴んだところで、今度はメンバー同士で練習を行います。最初は決められたフレーズをもとにロールプレイをし、頼む側、頼まれる側両方の体験をし、やってみてどうだったかを共有します。その後は、同じ場面で、自分だったらどんなふうに伝えるかを考えて再度ロールプレイをしてみますが、ポイントはわかっていても、自分の言葉で伝えるとなると悩んでしまうメンバーの方もいました。

練習後には、「こういう時にもっと丁寧な頼み方をしたいんだけど、どうしたらいいだろう?」との疑問や、「相手にお願いしたいことはあっても、こんな事情があってなかなか頼みづらい」など、“頼む”ということに関して、普段の生活の中でメンバーの皆さんが感じている様々な意見が出されました。次回は出されたこれらの意見をもとに、どうしたらその気持ちが伝わるか、こんな時はどうしたらいいかをプログラムの場で考え、一緒に練習していきながら、“頼む”というコミュニケーションスキルをさらに磨いていきたいと考えています。

第5病棟について

第5病棟では、患者様の安全を第一に考えた最終手段として身体拘束を行う事があります。しかし、そのことで患者様への苦痛やストレスを与えることにもなるため、毎週の病棟ミーティングの議題として、個別看護を重点的に考えた意見交換を行っています。主治医を中心に、患者様の症状に合わせた看護の関わり方や、治療内容とその経過状況、身体拘束を時間で開放しながら状態に合わせ開放方向へ持っていけるように努めています。

現在では、個別看護を重点的に実施することで、以前に比べ身体拘束者が減少傾向にありますので、今後も個別看護の実践に力を入れ継続していきたいと思います。

また行動制限最小委員会よりアフターファイブで講義された「神保健福祉法における行動制限のあり方」ついて病棟でも復習を兼ねて勉強会を開催致しました。

第4病棟の機能

第4病棟は身体合併症病棟であり、精神疾患に加えて、多種多様な内科疾患を合併した患者様が入院する病棟になっております。そのためほとんどの患者様が内科加療を目的としています。合併症により食事量が低下したり、摂取が難しくなってしまったりすることは患者様の治療に大きく影響します。現在、医師、言語聴覚士(ST)、看護と協同して、患者様個別の摂食ケアについて日々取り組んでおります。患者様ごとに嚥下の状態を評価して、必要な援助や訓練、食事時に注意するポイントなどをプラカードに記入しベッドサイドに掲げることでスタッフ誰もが患者様に対して同じような食事介助が行えるように工夫しています。ご自分の口で食べることが出来るよう、今後も患者様それぞれの機能に合わせてスタッフ全員で関わっていきたいと思います。