嚥下リハビリテーション 食べる・飲み込むとは

戸田病院で、様々な要因で食事を摂ることが難しい患者様がおられます。
皆さんは、失語症・構音障害・嚥下障害という言葉を耳にされたことがありますか?
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血やパーキンソン病などによって、起こる高次脳機能障害です。もちろん、このような病気から派生する嚥下障害もあれば、器質的に問題がないにもかかわらず、食事をうまく食べることができない患者様もおられます。
戸田病院では言語聴覚士による摂食嚥下障害のアプローチを実施しています。
入院時のその患者様の摂食嚥下評価を実施し、なぜ食べられないのか、どうしたら食べれるようになるのか。その中で、主治医や内科医、看護師や歯科衛生士、管理栄養士と連携し、多職種によるチームで取り組んでいます。
食べる・

飲み込む動作は、人間の認知機能、高次脳機能など深く関連し、単純なものではありません。
視覚・聴覚・味覚・嗅覚から入った情報を大脳で分析し、どんな食べ物なのかを判断します。熱いかな、冷たいかな、大きいな小さいな、どうやって食べよう、カトラリーは何を使おう、一口大や食べるペースなど多くの情報が集約し、判断をするのです。こういった機能に障害が起こると、食べ方の異常や嚥下機能の障害に繋がるのです。
また喉ぼとけを皆さん見てください。若い方と老齢の方では、その 喉ぼとけ位置が異なります。加齢によるものですが、これは誤嚥性肺炎の要因にもなります。
このような機能を落とさないためにも、健康に気を付けるだけでなく、日常生活においても多くの人とお話しをするなど、食べるための器官と話すための器官は同じです。
また、お口の中の衛生状態も大切です。歯磨きや入れ歯の適合、歯の検診など。
いつまでもおいしく食事を摂れるよう、戸田病院では患者様に働きかけています。

戸田病院 言語聴覚士

グループホームの支援 ~眠りが浅い方への対応 ~

グループホームでは、入居者(メンバー)さんの持てる力を引き出し、地域で安定した生活を送れるように、服薬管理、金銭管理、清潔保持、同伴受診等、個々の悩みに合わせた生活支援を行っています。

今回は、眠りが浅いと悩むメンバーさんへの関りについてご紹介します。

Iさんは、眠りが浅いため、深夜や早朝に外出してしまうこともありました。Iさんから主治医にも相談して、不眠時の頓服を進められましたが、朝起きられないことへの不安が強く、頓服の処方はしてもらいませんでした。そこで、担当者はIさんと話し合い、日中の活動量を増やすことで、夜の深い眠りに繋げることを提案しました。今まではデイケアでの運動プログラムは、苦手意識や腰痛を理由にあまり参加していませんでした。Iさんと話し合い、今後は運動プログラムに積極的に参加し、腰痛については痛み止めを使いながら調整していくことに決めました。メンバーの出来ることを認め、デイケア職員と情報を共有し、日々の状態を確認しながら、不安や悩みが解消できるように取り組んでいきます。

グループホーム 内山

退院支援に対する取り組みについて

こんにちは、女子開放病棟です。

今回は地域へ退院を目指す患者様への取り組みについて報告します。

当病棟では、退院後スムーズに地域での生活が送れるように、単独外出指導・買い物の仕方や金銭管理指導・身の回りの整理整頓や洗濯指導を行っています。

また退院後も規則正しい生活が送れるように、担当看護師がそれぞれ患者様に合った一日のスケジュールを患者様と共に個別に考えて実践しています。

もしも他者との交流があまり得意ではない患者様がいる時は、担当看護師が個別に対応しその患者様と共に解決策を考えていくだけではなく、病棟ミーティングにてスタッフ全員でその患者様が他者との交流をトラブルなく行えるか話し合いを行い、スタッフ全員で取り組んでいます。

このように患者様が不安なく地域への退院が目指せるよう、患者様に寄り添いながら退院のお手伝いをしています。

第8病棟のご紹介~非薬物療法・環境調整について~

第8病棟は、認知症の急性期治療を行う病棟です。不眠、興奮、怒りっぽい、食欲低下、気分の落ち込み、などの認知症の周辺症状があり、日常生活にお困りの方が多く入院されています。また、認知症の疑いがあり、精査目的で入院を希望される方もいらっしゃいます。

認知症の周辺症状に対しては、薬物療法よりも、非薬物療法を優先して行うことが効果的とされています。

第8病棟では、認知症の患者様に対する非薬物療法として、環境調整、作業療法、音楽療法、嚥下訓練、運動療法、回想法、現実見当識訓練などを、個別性に合わせて組み合わせ、多職種で連携し実施しています。

今回は、環境調整についてご紹介させていただきます。

第8病棟は、ボートコース沿いの3階に位置しております。

春になると対岸に咲く満開の桜を観ることができます。戸田花火大会の日は、盛大な花火を間近で鑑賞できます。ボートレースがある日やボート練習をしているときには、一緒に応援を楽しんでいます。

大きな窓からは、晴れの日は暖かい太陽の光、雨の日はザーザー、ポツポツといった雨の音。屋内にいても、季節や天気を感じられる環境となっております。

お部屋は1人部屋、2人部屋、4人部屋があります。ナースステーションに近いお部屋、トイレに近いお部屋、食堂に近いお部屋など、患者様のご希望やご状態に合わせてご案内しています。

ぐるっと一周できる回廊式の廊下の幅は、車椅子がゆうゆうとすれ違えるくらい広くスペースをとってあります。

環境調整とは、このような設備面だけでなく、認知症の患者さんが、安心して治療を受けられるための職員の関わりや、患者さん同士の関係性の援助もあります。

患者様のその人らしさを大切にした関わりを基本姿勢とし、周辺症状に対して、どうしてそのような症状が現れているのか、患者様の思いに寄り添う看護に努めています。

また、安心して入院生活が過ごせるよう、アルツハイマー型認知症に効果的と言われている、「なじみの関係」を大切にしています。

上記のように環境を整えるだけで、周辺症状が改善される方も多くいらっしゃいます。

作業療法士の個別の関わり

作業療法士はプログラムを行うだけでなく、担当している病棟の患者さんとプログラム以外の時間でも日頃からコミュニケーションを取っています。

患者さんは、今の病状について悩んだり、今後の生活について悩んだり、また過去の出来事を思い出し悩んだり様々です。そういった悩みに対して、個別で関わり支援していくのも作業療法士の役割です。

今回は、作業療法士が個別で関わった一場面を紹介します。

退院していった患者さんの中には、退院後調子を崩し再入院してしまう患者さんもいます。その患者さんからは「せっかく退院したのに」「退院しても無駄だった」など聞かれました。本人だけでなく、我々作業療法士も同じようなネガティブな気持ちになってしまいそうになることもあります。

しかし、「再入院してしまった」というマイナスの出来事に焦点を当てるのではなく、次に同じような状況になったらどうしたらよいのかに焦点を当て一緒に振り返りを行いました。

また、調子が悪くなる引き金やサインを知ることも大切です。そういったサインを知る手段として、自分が元気でいるために、あるいは調子を崩してしまったときにどのように対処していけばよいか事前に計画していくというものもあります。

作業療法士はそういった考えも取り入れた関わりを通して、患者さんと日頃から退院に向けてどのようにしたら元気でいられるのか一緒に振り返るようにしています。

そして、失敗したという過去へのマイナスな思考ではなく、未来への希望に変える事ができるよう関わっています。

作業療法室 山崎智也

お薬の流通状況について

こんにちは、薬局です。

お薬の供給が不安定な状況が続いています。

医薬品メーカーでも増産を図ろうとしてはいるようですが、今のところその効果はまだまだなのが現状です。そのため、当院でも今まで使用していたメーカー品が入手困難のため他のメーカー品に変えたり、規格を変更したりして(例:10mg錠1錠を5mg錠2錠で調剤)、何とか欠品することのないように図っています。

いつもと違うお薬をもらい戸惑われることもあるかとは思いますが、できるだけご迷惑をおかけしないよう努めてまいります。ご不明な点等ございましたら、薬局窓口で

ぜひ薬剤師にお声がけ下さい。

                             薬剤師  新村

タンパク質を多く含む食材について

こんにちは。戸田病院栄養課です。

皆様は普段から、タンパク質を多く含む食材を意識して摂れているでしょうか。

今日はタンパク質を多く含む食材の紹介です。

1日のたんぱく質量の計算式  

身長(メートル)×身長(メートル)×22=たんぱく質量

タンパク質を多く含む食材(100g)

・豚肉 22g                ・とりささみ 23.9g 

・とり胸肉 21.3g            ・鮭 22.8g   

・鯖 23g                    ・ツナ缶 17.7g 

・卵 12.2g(約2個分)      ・普通牛乳 3.3g(約97ml)

・木綿豆腐 7.0g(約1/3丁)     ・納豆16.0(約2パック)

鶏皮や豚バラ肉などの肉は、脂質が多く、たんぱく量が少ないため、摂り過ぎには注意しましょう。

※腎臓病やたんぱく質の制限がある人は医師指示に従いましょう。

施設管理課の紹介

こんにちは事務部 施設管理課です。普段はわかりづらい施設管理課の業務を紹介させていただきます。

『何をしている部署なの?』

病院は患者様の治療の場ですが、同時に患者様の生活場でもあります。

その生活を支える『衣』『食』『住』の内、『住』担当している部署だと思っていただけるとわかりやすいかもしれません。患者様の療養環境や職員の労働環境が少しでも良くなるように、日ごろから建物や機器のメンテナンスを行っている、そんなことを中心に活動している部署です。

『どんな人が働いているの?』

病院には珍しく、男性のみの部署となってしまいました。職員のキャリアはそれぞれです。

電気工事が得意な人、建物のメンテナンスに詳しい人、手先が器用な人などが、互いの経験を出し合いながら勤務しています。

『苦労したことは?』

数え切れません。年中無休で24時間営業の病院では、修繕作業や工事の際にいろいろな困難が待っています。私たちはその中でも、建物を知り工夫することで、患者様や職員に必要最小限の負担で済むよう業務をしています。職員同士の意見のぶつかり合いや見解の違いもありますが、苦労を力に変えていきたいと思っています。

『楽しいことは?』

たくさんあります。困難事案だと思われた事案が解決に至ったときなど、特にやりがいを感じる瞬間です!

私たちのような仕事をしていると建物をついつい擬人化してしまう瞬間があるのですが、手のかかるほど可愛いですし、やりがいに変えています。

少しでも療養環境の向上につながるように、ハード面で工夫を重ねていきます。

院内で見かけましたら、気軽に声をかけてください‼

グループホームの支援「感染対策」

だんだんと寒さが増してきた今日このごろ。

寒さと乾燥により、風邪・インフルエンザ・コロナ等感染症の流行る時期になってきました。

私達グループホームでも、職員・メンバーさんの毎朝の検温による体調管理と、手洗い・うがい・手指消毒・マスク着用を実施しています。

コロナが5類になり遠出をするメンバーさんも増えてきているため、大切な命・暮らしを守るために、まずは「手洗い・うがい・手指消毒・マスク着用」を励行し、習慣化されるように指導していきます。

グループホーム 内山

回想法「水書道」

第8病棟(認知症急性期治療病棟)では非薬物療法のひとつとして回想法に取り組んでいます。今月は水書道を行いました。

水書道とは、水で書けて何回でも乾かして練習できる台紙で行う書道です。筆は書道用のものを用います。墨汁ではなく水を使用するので、衣服などを汚す心配がなく片付けも簡単です。感染対策を行い実施しました。

書道が好きな患者様は、筆を持つと自然と背筋を伸ばされてどんどん書き始められます。お手本としては「せせらぎ」「夏まつり」など季節を感じられることばを用意し、現実見当識訓練も兼ねています。はじめは遠巻きに見ていた患者様も、水が乾くと消えてしまうのを見て、気軽に参加されました。

認知症急性期の患者様は、ご自分の病状や環境の変化から不安感でいっぱいの方が多くいらっしゃいます。「恥をかきたくない」という気持ちから消極的になったり、拒否的になったりされる方がいらっしゃいます。そのような患者様もつられて参加され、体が覚えていることに取り組み、自分らしさや小さな自信を取り戻していただくことをねらっています。

今回も「あなた上手ねぇ」など、お互いに筆跡を褒め合って楽しい時間となりました。「久しぶりに筆を執り緊張しました」「こんどは墨汁でやりたい」などの声があがりました。

回想法:懐かしい題材から話題を提供し、思い出したことを語り合って共有して頂きます。人生をふりかえり、自分を肯定的に受け止めることができるよう、ゆるやかに促して気持ちの安定を図ります。

現実見当識訓練(リアリティ・オリエンテーション):日時、季節、場所、人物などに関する情報を意識的に確認する機会を設けて、現実認識を取り戻す訓練です。今、どこで何をしているのかに注意を向けていただき、混乱をやわらげます。