作業療法士はプログラムを行うだけでなく、担当している病棟の患者さんとプログラム以外の時間でも日頃からコミュニケーションを取っています。
患者さんは、今の病状について悩んだり、今後の生活について悩んだり、また過去の出来事を思い出し悩んだり様々です。そういった悩みに対して、個別で関わり支援していくのも作業療法士の役割です。
今回は、作業療法士が個別で関わった一場面を紹介します。
退院していった患者さんの中には、退院後調子を崩し再入院してしまう患者さんもいます。その患者さんからは「せっかく退院したのに」「退院しても無駄だった」など聞かれました。本人だけでなく、我々作業療法士も同じようなネガティブな気持ちになってしまいそうになることもあります。
しかし、「再入院してしまった」というマイナスの出来事に焦点を当てるのではなく、次に同じような状況になったらどうしたらよいのかに焦点を当て一緒に振り返りを行いました。

また、調子が悪くなる引き金やサインを知ることも大切です。そういったサインを知る手段として、自分が元気でいるために、あるいは調子を崩してしまったときにどのように対処していけばよいか事前に計画していくというものもあります。
作業療法士はそういった考えも取り入れた関わりを通して、患者さんと日頃から退院に向けてどのようにしたら元気でいられるのか一緒に振り返るようにしています。
そして、失敗したという過去へのマイナスな思考ではなく、未来への希望に変える事ができるよう関わっています。
作業療法室 山崎智也



