作業療法室の活動

今月の作業療法室の活動は、第6病棟(女性開放病棟)の作業療法プログラムでもある、ぷちクラブ(小グループ)で取り組んだ、パーラービーズで作る卓上カレンダーを紹介します。

パーラービーズとは、アイロンで熱を加えることによってカンタンにモチーフが作れるビーズです。
今回はメンバーがそれぞれにフレームのデザインを考え、フォトフレームにもなる卓上カレンダーを作成しました。「細かい作業が多く大変だった」と言いながらも、笑顔で自分の作品を大切そうに持ち帰って頂きました。

第3病棟の機能

第3病棟の機能は男子重度濃厚治療病棟です。

急性期治療を終えた患者様が、継続した治療が必要になり入院治療が長期化した患者様の治療を行う病棟です。入院長期化に伴い、精神症状の改善治療はもちろん、自身で出来るはずの生活行為能力が減退し社会生活に向けての能力を発揮できなくなっている患者様へ入院中に生活行為の自立を促し、自身で考え行動できるように看護師、看護補助者ともに個別看護・ケアを行っています。

全国的に入院患者様の地域移行を推進おり、精神疾患を持つ患者様も地域で活動ができるように社会資源の導入や就業などの問題もありますが、まずは自身の生活の能力を整えていく必要があると考えています。

病棟スタッフ、他職種との連携を密に行い一丸となって患者様の病状改善や社会性向上に努めていきます。

 

ストレスケア病棟について

ストレスケア病棟では、うつ病や神経症などのストレス系疾患の入院治療を行っております。
治療には安心して静かに療養できる空間が必要であり、明るく開放的な病棟やプライバシーを確保できる病室など治療に望ましい環境づくりに努め、病室は4床室、2床室、個室、特別室のご用意があり、患者様のご希望に沿いながら入院治療を進めております。

治療では「認知行動療法」を実施しており、患者さんの認知(物事の受け取りかたや、考え方)に働きかける治療を行っており、他にも運動療法や音楽療法、作業療法などの治療プログラムを実施し、治療のみならず再発までも予防できるような治療を目指しております。

病棟では毎週レクリエーションを実施し2月には節分のレクリエーションを実施いたしました。
四季折々を感じられる様なレクリエーションを実施し、活動を通して気分の改善につなげていくことや対人関係でのストレスの改善に努めております。
入院を希望される患者様、入院生活についてのご質問などにつきましてはお気軽にお問合せ下さい。

 

病棟レクリエーション

2月の病棟レクリエーション「節分の準備」
節分に豆まきを行うため、患者様とその準備を行いました。
乾燥した豆は喉に詰まりやすいため、残念ながら入院中に口にすることは出来ませんので
カラフルな用紙を準備して、小さく丸めることで豆に見立てることにしました。
作業中に子供の頃どんな節分の日を過ごしたか、自分たちに子供が出来て、子供達とどんな節分の日を過ごしたかなどの思い出話に花を咲かせ
「決して裕福な時代ではなかったけれど、そのような行事の意味を教えたり、教えられたりしながら過ごした時が良かった」と、皆さん振り返っていらっしゃいました。
病棟レクリエーション当日はその豆に見立てた玉を「鬼は外。福は内」と言いながら鬼のお面を付けたスタッフに向かって投げ、患者様たちからは沢山のはしゃぐ笑顔が見受けられました。
認知症の方が昔を懐かしみ会話することは脳への良い刺激になりますので、今後もこのような月の行事を取り入れた病棟レクリエーションを行っていきたいと思います。

【バリデーションについての続き】
前回は言葉を使うテクニックの中から「オープンクエスチョン」について説明させて頂き
ました。今回は言葉を使うテクニック「反対のことを想像する・極端な表現」についてお
話します。これも質問の仕方になりますが、言葉によるコミュニケーションがある程度可
能な認知症の高齢者に対して、欲求や感情の表出を促す刺激になるテクニックです。
例えば「帰りたい」と訴えてくる方に対して「反対のことを想像する」テクニックは「帰
りたくない時はどんな時ですか」と聞きます。「極端な表現」では「一番帰りたいのはどん
な時ですか」と聞きます。その返答によって、オープンクエスチョンの時と同様、認知症
高齢者の行動の理由が見えてくることがあります。このテクニックはなかなかパッと出て
きづらいですが、繰り返し行っているうちに出てくるようになると思います。

第4病棟の機能、目標

第4病棟の機能は身体合併症病棟です
※身体合併とは精神疾患に身体疾患が合併した状態を
「精神科身体合併症」または「身体合併症」と呼びます

現在早期離床を目標にリハビリへ力を入れています。
他病棟で身体合併によりADLが低下した患者様には入院病棟を移っていただき
第4病棟で内科的治療、理学療法士及び作業療法士によるリハビリ、看護補助者と共に離床の訓練を進めます。
※ADLとは「日常生活動作」の事であり、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など
生活を営む上で不可欠な基本的行動を指し「基本的日常生活動作」「日常生活活動」とも言われる

多職種で一丸となり目標に向かう事は非常に難しい事ではありますが
連携を密にすることにより、患者様の状態改善に繋がるだけでなく
職場の雰囲気も良くなっているような気がします。

 

第3病棟 1月期レクリエーション「新年会」

年が明けて新年最初の病棟レクリエーションとして「新年会」を実施

最初は書き初め
テーマを「お正月」にしておこなったのですが
「正月」や「初夢」などテーマに沿ったものを書く方も居れば
今年の目標を書く方もいらっしゃいました。

次に書き初めを終えた方へ用意しておいた「おしるこ」をお配りしました
本当はお餅を入れたいところですが安全上の観点から代わりに「お附」を。
食べた感想を伺うと「甘くておいしい」と好評で
余るかもと思いながら準備した量がキレイに無くなりました。

患者さん達も入院が長くなると季節的なことにも興味が無くなりがちになってしまうので
こういった季節感を取り入れたレクリエーションを行っていきたいと思います。

作業療法室の活動

今月のは、院外レクで行った初詣を紹介します。
第3病棟(男性閉鎖病棟)では季節ごとに、季節感を感じる企画を実施しています。毎年一月には、初詣を企画していて、今年は10人の患者さんが参加しました。
天気はあいにくの曇り模様で、冬の寒さを感じて、お寺まで散歩しました。お寺についたらお賽銭を握りしめて、一人ずつ参拝を行いました。「今年も健康で過ごせます様に」、「早く退院出来ます様に」と参加した方は各々のお願い事をしていました。

10月作業療法室活動

今回は、作業療法士と病棟スタッフとが協力して行った、第3病棟(男性閉鎖病棟)の運動会を紹介します。

約20名の患者様とスタッフで、ペットボトル巻き取り競争・玉入れの2競技を行いました。
ペットボトル巻き取り競争では、競技参加者はおしゃべりをやめ黙々と取り組み、一位になった人は「やったぁ!!」とガッツポーズ。玉入れでは、籠を持ったスタッフを皆で追いかけ、中庭を走りました。休憩時間には、お茶とアイスが振る舞われ、「疲れた体にアイスの甘さが染み渡りますね!」と笑顔で食べていらっしゃいました。

無事天候にも恵まれ、まさにスポーツの秋!といった良い運動会になりました。

 

作業療法活動

今回は、静養病棟で行っている作業療法の一つである、料理プログラムを紹介します。
連日続く猛暑の中、“少しでも涼を感じて頂きたい”とメニューはフルーツポンチにしました。

工程が簡単なこともあり、桃の型抜きや寒天にいちごを入れるなど
目で見ても楽しめるよう工夫をしてみました。今が旬のスイカも種を丁寧にとって具材に加えました。

「甘すぎなくて美味しい」「カラフルで綺麗」と参加した患者様にも好評で
大成功の出来に仕上がりました。

今後も患者様とともに、穏やかにも季節を感じられる日々の提供に努めていきたいです。

花火大会

8月4日、戸田市花火大会が開催されました。
戸田市花火大会の日は季節柄天候が悪く、開催が懸念されることも多いのですが
今年は朝からからっと晴れ、開催を知らせる音や、病棟から見える土手に大勢の人が集まる様子を見て
「早く暗くならないかな」と患者様もその時間を待ちわびていました。

19時10分、大きな音と共にきれいな花火が上がり始め…
病棟からは間近に、花火が降り注いでくるように見えるので
患者様も「わぁー、すごいすごい」「これを観ないのはもったいない」など声を上げながら
手をはたいて鑑賞されていました。
患者様の喜んでいる姿を見ると、私たち職員も「ここに勤めてよかったな」と思う瞬間です。

認知症病棟は建物の4階に位置しているので、戸田市側と板橋側の両側から花火を打ち上げていることも見えますし、ボートコースの河面に移る花火も見えます。

入院中であっても美しいものを観て、他の患者様やスタッフと感動を分かち合える。
このような時間を持つことが出来る環境に病院があることを改めて嬉しく思いました。

【バリデーションについての続き】
7月のホームページでバリデーションについて少しお話させて頂きましたが
今回はバリデーションの技術について触れたいと思います。
バリデーションは言葉を使う技術と言葉を使わない技術を合わせながら
認知症高齢者とコミュニケーションを図ります。認知症高齢者は症状が進行すると
言葉をうまく発することも困難になるので、私たちが技術を活用することで
患者様の感情を引き出し、その感情を受け止めることが必要なのです。
次回からその技術について一つずつまたお伝えしていきたいと思います。