第5病棟 ~月経周期から見えてきたもの~

 第5病棟は女性病棟のため、月経前の心身の不調である月経前症候群(PMS)や、特に精神症状が重篤な月経前不快気分障害(PMDD)の疑いがあるため、月経周期を把握して症状が緩和するように関わっています。

症状は人によって違いますが、見えてきた傾向についてご紹介します。
・ (症状記録付きの)月経カレンダーを導入して患者ごとの月経周期やそれに伴う症状を見える化したことで、患者さん・看護師ともに月経周期について関心を持てるようになった。


・ 月経前後の精神症状の変化を観察し記録し、月経終了後に患者さんと振り返りを行ったことで、生理前後、特に生理前に出現する症状(PMS)について、介入以前は自覚していなかった症状を患者さん自身で認識することができた。


・ 既に症状を自覚している患者さんもいますが、月経周期に焦点をあてた観察を行うことで、自覚している症状(頭痛)以外の症状(抑うつ)があることが分かった。

〈新たな課題〉

  • PMS症状が出現した時の対応(頓服の促し)については都度指導しているが、特に精神遅滞も併発している患者の場合だと症状への対応ができないことが多い。
  • 生理周期が不順な患者については、月経周期カレンダーを使った介入が困難である。

 今後も、生理周期に伴う不調が少しでも緩和できるように取り組んでいきます。

一人ひとりに寄り添う看護と支援

 第3病棟は、長期にわたる療養を必要とする男性の慢性期閉鎖病棟です。

 患者さんが日々の生活を安心して過ごすことができるよう、安全な療養環境を整えるとともに、一人ひとりの思いや個性を大切にした看護・支援を行っています。

 病棟では、患者さんとの日々の関わりを大切にしています。何気ない会話や表情、行動の変化などから患者さんの思いをくみ取り、その日の体調や気分に合わせた声かけや関わりを心がけています。長期入院となる患者さんも多いからこそ、毎日の小さな変化を大切にし、安心して過ごしていただけるよう支援しています。

 また、安全に入院生活を送っていただくため、患者さんの状態や行動をスタッフ間で共有し、転倒・転落などの事故や、食事中の誤嚥・窒息の予防にも取り組んでいます。患者さんの生活の様子を丁寧に見守りながら、必要な支援をその都度考え、安全と安心につながる環境づくりを行っています。

 そして、入院生活の中でも患者さんが楽しみや目標を持って過ごせることを大切にしています。「やってみたい」「こうしたい」といった患者さんの思いに耳を傾け、できることを一緒に考えながら、ご本人の希望をできる限り実現できるよう努めています。

 患者さんにとって病棟で過ごす一日一日が、その人らしく穏やかな時間となるように、これからも患者さんの声に耳を傾け、安全を守りながら、一人ひとりに寄り添った看護と支援をスタッフ一同で大切にしてまいります。

療養病棟 患者様との関りで大切にしていること

 暑い夏を覚悟していましたが、今年は雨が多く太陽があまり見られない夏でした。

 雨が長く続くことで自律神経が乱れ、頭痛や吐き気など体調不良をきたすこともあるので、病棟では室温、湿度管理に気を付けています。

 今回は先日、食事介助をしていた時のお話をさせて頂きたいと思います。

 患者様は認知症の症状により発語がなく、意思疎通も図りにくい状態でした。

 食事も自身でスプーンを握り口に物を運ぶという動作ができなくなっているため、食事介助をしていました。スプーンを口に運ぶと口を開け食べていたのですが、途中で口を開かなくなってしまいました。もう食べたくないのか?疲れてしまったのか?など質問してみましたが、やはり発語はなく答えてくれません。おかずを目の前に見せかぼちゃですよと説明してみたり、美味しいですよなど声を掛けてみたり、しばらくトライしてみましたが口は固く閉じたままだったので、他のスタッフに食事介助を変わってもらうしかないかと考えていました。諦めかけた時に患者様と目も合わないことに気付き「○○さん」と呼びかけました。患者様はハッと我に返ったような顔をされ、急にこちらに目を向け「はい」と小さな声で返事をしてくれました。「ご飯たべましょうか」と声を掛けるとまた「はい」とまた返事をされ、再び食べ始めました。その後も口が開かなくなると名前を呼び、返事をされ口を開けることを数回繰り返し、完食することができました。食事が終わった後に「素敵なお名前ですね」と伝えると「あなたもね」と言ってくださいました。

 食事介助をする際、患者様が会話をすることで誤嚥リスクに繋がるため、積極的に話しかけることはしないのですが、全量摂取して頂くことにばかり気持ちが向き、患者様がどのような気持ちで食事を食べているのか考えて介助できていなかったことに気付きました。食事介助に限らず、あらゆる場面で患者様の気持ちに思いを寄せることをこれからも大切にしていきます。

病棟レクリエーション活動について

 急性期認知症病棟では、患者様お一人おひとりの状態や生活歴、趣味・嗜好を大切にし、その方らしさを尊重した精神科看護の実践に努めています。認知症の症状だけでなく、入院による環境の変化から不安や緊張が高まることもあるため、安心して療養生活を送っていただけるよう、個々の能力や興味関心に応じたリハビリテーション活動や精神的支援を取り入れています。

 今回は病棟レクリエーションとして身体を動かす目的で風船バレーを行いました。車椅子のかた、独歩の方様々なADLの方がいますがみなさま1つの円になり始まるまでは楽しそうに会話を楽しんでいました。いざ、風船バレーが開始すると真剣に風船を追う姿がみられ、風船に手を伸ばし落とせないようにしていました。普段はあまりOTに積極的に参加していない方も積極的に体を動かす姿がみられています。

 気分のリフレッシュにもなり「楽しかった」と患者様同士で話している姿も垣間見えとても満足している様子です。このように体を動かしながら身体機能を維持し、患者様同士また職員も一緒に活動を行うことでコミュニケーションの促進を図り、ゲーム感覚で楽しく運動を取り入れることで活動意欲、達成感につなげることなどを目的にレクリエーションを実施しました。

季節の移ろいを感じ、心穏やかに過ごすための看護ケア

 こんにちは。第10病棟です。第10病棟は亜急性期から慢性期の認知症の患者様をお引き受けする病棟です。第10病棟では、患者様が時の流れや季節の変化を感じながら、安心して入院生活を送っていただけるよう、日々の関わりの中で「季節感」を大切にしたケアに取り組んでいます。認知症の症状が進行すると、「今がいつなのか」「季節がいつなのか」といった時間を把握する感覚(見当識)が薄れやすく、不安や戸惑いにつながることがあります。特に朝晩の寒暖差や日照時間の変化が現れる9月は、自律神経や体調が乱れやすい時期でもあります。

 そのため、当病棟の看護師は、五感を通じた季節の働きかけを日常的に行っています。ホールにはお月見や秋の草花を取り入れた装飾を施し、日常の会話の中でも「朝晩は過ごしやすくなりましたね」「そろそろお月見の季節ですね」といったお声をかけ、自然な形で今日という日や季節を感じていただけるよう工夫しています。

 また、体温調節が難しくなる季節の変わり目だからこそ、衣類の選定や室温の細やかな調整、水分摂取の働きかけなど、身体面のコンディション管理にも気を配っています。

 変化の多い時期でも、患者様お一人おひとりが季節の移ろいを楽しみに感じ、温かく穏やかな気持ちで過ごしていただけるよう、スタッフ一同、思いやりに満ちた細やかなサポートを続けてまいります。

身体合併症病棟の特色

 当病棟では、精神疾患に加えて身体疾患を併せ持つ患者さんを対象に、精神面と身体面の両方から治療・看護を行っています。

 患者さん一人ひとりの病状や生活背景を丁寧に把握し、安心して治療を受けていただけるよう支援しています。身体疾患の治療だけでなく、精神症状にも配慮しながら、その人らしい生活の再獲得を目指します。

 医師、看護師、薬剤師、リハビリテーションスタッフ、医療ソーシャルワーカーなど、多職種が連携し、それぞれの専門性を活かしたチーム医療を実践しています。

 また、退院後の生活を見据え、ご本人やご家族の思いを大切にしながら、地域の医療・福祉機関とも連携して退院支援に取り組んでいます。

 「身体の治療」と「こころのケア」の両面から、患者さんが安心して療養できる環境づくりを大切にしています。

もの忘れが気になる方へ “からだとココロのチェックシート”

こんにちは。外来では「最近わすれることが多くなってきて」と心配される声を良く聞きます。加齢に伴う健忘症(年相応のもの忘れ)の場合もありますが、“もしかして認知症かもしれない”と不安を抱えて相談に来られる方もいらっしゃいます。

そこで本日は「からだとココロのチェックシート」をご紹介します。

このチェックシートは精神科医師が共同で開発したものです。ご自身でチェックしてもらい、地域で相談する時、かかりつけ医に相談する時などに、困りごとを伝えることができます。

何より、近くで変化を感じているご家族にとっても、実は本人がこんなことに困っていたんだと気づくことができると思います。

体の調子のこと、生活のこと、ココロのことなど、あてはまることにチェックをするだけです。外来で配布していますので、どうぞお気軽にご相談ください。

インフルエンザに負けない過ごし方

 こんにちは、男性開放病棟です。

 インフルエンザと聞くと、秋頃から気温の低下や乾燥した日が続くと感染される人が増えて、冬に流行のピークを迎える印象が強いと思います。

 今年の夏は全国的にインフルエンザの感染報告件数が多く、8月31日~9月6日の埼玉県内の定点医療機関から報告された感染患者数が799人、一つの定点医療機関が4.57人となっています。例年より早い流行入りとなり、感染しないように対策する必要があります。

 当病棟に入院中の患者様は日中外出する方が多く、外出先でインフルエンザに感染する可能性があります。普段の体調管理に加え、外出後の手洗いうがいやマスクの着用、関節痛や咳・喉の痛みなど普段とは違う体調不良がある時は無理して外出しないように呼び掛けています。

 夏の暑さも和らぎ、お散歩するのにちょうど良い季節が来ます。患者様が楽しく過ごせるように努めています。

グループホーム ~個別支援計画から生まれた「楽しみ」~

 グループホームでは、利用者様1人1人の希望や生活状況に合わせて、「個別支援計画」を作成しています。個別支援計画とは、利用者様が「どのような生活を送りたいか」「どんなことを大切にしたいのか」といった思いや希望をもとに、必要な支援を一緒に考えていきます。

 今回は、その一例を紹介します。

 Uさんは、地域生活を楽しみたいという思いがある一方で、「何をしたら楽しいのかわからない」という悩みがあります。そこで、職員と一緒に普段の会話の中から興味のあることや、やってみたいことについて話し合い、より地域生活が楽しめるように個別支援計画に「休日の楽しみを見つける」ことを目標として設定しました。まずは職員が一方的に提案するのでなく、本人からの「やってみたいこと」、「興味のあること」を伺いながら一緒に楽しめそうなことを探しました。

 その中で近隣の施設でコンサートが開催されることを知り、「行ってみたい」という思いに繋がりました。残念ながら人気のコンサートだったためチケットを取ることができませんでした。しかし、「自分の身近な地域にこういう楽しめるものがある」というお話があり、これまでよりも地域での生活を前向きにとらえるきっかけとなりました。

 今回のように個別支援計画は目標を達成することだけが目的ではありません。ご本人の「やってみたい」、「興味がある」という思いを一緒に探し、見つけていくことも大切な支援です。

 楽しみながら目標を達成する体験は暮らし全体へのモチベーションを高め、次の一歩を踏み出す力になります。私たちはそんな利用者様のいきいきした毎日をこれからも一緒に支えていきます。

暑い夏こそ生活リズムを整える

 厳しい暑さが続いています。夏は気温や湿度の上昇により体力を消耗しやすく、睡眠や食事のリズムが乱れたり、熱中症のリスクが高まったりする時期でもあります。そのため、こまめな水分補給や適切な室温管理、十分な休息を心掛けることが大切です。

 男性開放病棟(第2病棟)では、患者さんが規則正しい生活を送りながら、自ら健康管理を行う力を身につけられるよう日々の声掛けや、外出時に患者さんの様子を確認し外出時の注意事項を確認する等支援しています。特にグループホームへの退院を目指されている方にとって、生活リズムを整え、体調の変化に気付きながら日々を過ごすことは、地域で安心して生活するための大切な土台となります。

 暑さ対策を実践しながら、「自分でできること」を一つずつ増やし、それぞれの目標に向かって歩みを進めています。今後も患者さん一人ひとりが自分らしい地域生活を実現できるよう支援を続けてまいります。