認知症急性期病棟では、患者様お一人おひとりの状態や生活歴、趣味・嗜好を大切にし、その方らしさを尊重した精神科看護の実践に努めています。認知症の症状だけでなく、入院による環境の変化から不安や緊張が高まることもあるため、安心して療養生活を送っていただけるよう、個々の能力や興味関心に応じたリハビリテーション活動や精神的支援を取り入れています。
今回は七夕の季節に合わせ、患者様と職員が一緒に切り絵を用いた笹竹飾りの制作に取り組みました。この活動は、季節感を味わっていただくとともに、手指機能の活用や集中力の維持、回想を促すことを目的とした作業療法的な要素を含む取り組みとして実施しました。制作では、色鮮やかな折り紙を選びながら「どの色がいいかな」「ここに飾るときれいだね」と相談し、一つひとつ丁寧に作品を作り上げていきました。活動を通して、普段は言葉で思いを表現される機会の少ない患者様からも、「昔、子どもと一緒に七夕飾りを作ったことがあるよ」「家では毎年笹を飾っていたな」といった思い出が語られ、これまでの人生経験や大切にされてきた生活背景に触れることができました。
また、折り紙を切ったり貼ったりする作業に真剣に取り組まれる姿からは、患者様が持つ能力や強みが発揮されている様子がうかがえました。活動の過程では職員とのコミュニケーションだけでなく、患者様同士が自然に声を掛け合う場面も見られ、社会的交流の促進にもつながりました。

完成した笹竹飾りを前に、多くの患者様が笑顔を見せてくださり、「楽しかった」「またやりたいね」といった声も聞かれました。作品を完成させる達成感や、人と関わる喜びを感じていただける機会となり、精神的な安定や意欲の向上につながる様子が見られました。

認知症看護においては、症状への対応だけでなく、その方がこれまで歩んでこられた人生や価値観を理解し、残存機能や強みを活かした支援を行うことが重要です。当病棟では、患者様お一人おひとりに合わせた精神科看護サービスとリハビリテーション活動を通じて、心身機能の維持・向上と生活の質の向上を目指しています。

今後も患者様それぞれの個性や思いに寄り添いながら、安心して過ごせる療養環境づくりに努めてまいります。そして、入院生活が治療の場であるだけでなく、その方らしさを発揮し、人とのつながりや生きがいを感じられる時間となるよう支援してまいります。







