作業療法で支える健康的な暮らし

病棟で作業療法を行っていると、入院されたばかりの患者様からよくいただくご質問があります。

作業療法って、何のためにやるんですか?

お薬を飲むことや、食事・睡眠のリズムを整えることは、治療としてイメージしやすいかもしれません。

しかし、手工芸や軽い運動、音楽、レクリエーションなどの作業療法がどうして治療になるのか――少し分かりづらいと感じる方もいらっしゃいます。

中には「遊んでいるだけに見える」と感じる方もいるかもしれません。けれども、この「遊ぶ」という行為には、大切な意味があります。

30年ほど前の車のCMで「くう・ねる・あそぶ。」という言葉が話題になりました。よく食べ、よく眠り、そしてよく遊ぶ。

これこそが、健康的な生活の理想形です。

食事がとれ、眠れるようになれば、日常生活は送れるようになります。

ですが、「健康的な生活」を取り戻すためには、心にゆとりを持ち、「遊ぶ」ことができる状態に回復することも欠かせません。

作業療法は、そうした「ゆとり」や「意欲」を少しずつ育みます。活動を通して体を動かすことで、寝たきりを防ぎ、気分転換にもなります。結果として、再発の予防にもつながるのです。

作業療法は「非薬物療法」とも呼ばれ、活動を通じて生活の質(QOL)を高める治療法です。

私たちは、ただ日常生活が送れるようにするのではなく、その方らしく、生き生きとした毎日を取り戻すお手伝いができるよう、日々工夫を重ねながら支援を行っています。

お薬、余っていませんか?

― 薬は「使い切る」ことも大切です ―

こんにちは、薬局です。

投薬窓口では、こんな会話を耳にすることがあります。

「この薬、今日はもういらないけど、変更が面倒ならもらっておきますね。」
「薬が余っていて…どのくらい保管しておけるんでしょう?」

日々の中で、うっかり飲み忘れてしまったり、下剤などをご自身の調子に合わせて調整しているうちに、お薬が手元に余ってしまうことは、誰にでも起こりうることです。

そんなときは、遠慮なく診察の際に医師にご相談ください。

今の残薬の状況を確認し、処方の内容を見直したり、投薬日数を調整したりといった対応が可能です。

なお、お薬には有効期限があります。たとえ期限内でも、保管状態によっては薬の品質が落ちてしまうことも。

「もったいないから」「薬が切れそうだから」と、いつもらったかわからない薬を飲むのは避けましょう。

ぜひ、定期的にお薬の残りや保管状況をチェックしてみてください。

分からないことがあれば、お気軽に薬局までご相談ください。

患者様の安心・安全な服薬のために、引き続き薬局でも丁寧にサポートしてまいります。

午後外来(一般初診・医療相談)のご案内

下記の日程において、午後の外来(一般初診および医療相談)を開設いたします。

【午後外来 実施日】

  • 6月17日(火)
  • 7月1日(火)、7月15日(火)、7月29日(火)
  • 8月19日(火)、8月26日(火)
  • 9月2日(火)、9月16日(火)

【初診受付時間】
13時30分 ~ 15時30分

受診をご希望の方は、受付時間内に外来受付までお越しください。

2025年4月1日より入院時の食事負担額が変わります

厚生労働省告示の改正にともない、2025年4月1日より入院時の食事療養標準負担額が変更となります。

全医療機関共通の値上げ金額となりますのでご理解の程、よろしくお願い致します。

入院時の食事療養の標準負担額(患者負担分:1食あたり)

  • 2016年4月1日において1年以上継続して精神病床に入院している患者様は、退院するまでの間は260円になります。
  • ご不明な点がございましたら、1階入院受付(医事課)までお問合せください。

戸田病院

次は何作ろう?

こんにちは、作業療法室です。

第7病棟(療養病棟)で行っている作業療法プログラム『クラフト』についてご紹介します。
塗り絵や脳トレ課題プリント、創作活動といった机上で行える作業が主な内容となっています。

創作活動では季節に沿った作品を制作しています。ちぎり絵や塗り絵、折り紙等それぞれのパーツを患者さんで分担して制作し、完成後は壁に掲示することで病棟のみなさんに楽しんでいただいています。

上肢や手指の協調的・巧緻的な動作を促すといった身体機能への働きかけの他、集中力を保つ・様々なことに意識を向けながら取り組むというように精神・認知機能の賦活を促す目的もあります。

また、季節の行事をテーマにすることで四季の移り変わりを感じていただけるきっかけにもなっており、患者さんからは「もうこんな季節になったのね。」「懐かしいわ。」といった感想をいただいています。

クラフトは患者さん個々の活動ではありますが、集団で同じ場所を共有することで他者交流の機会にもなっています。一緒に脳トレの問題を解いたり、完成した作品を見せ合ったりと、自然と患者さん同士の会話も増えているようです。

これからもみなさんに楽しく取り組んでいただけるプログラムを提供できるよう努めていきます。

健康クラブで元気な気持ちになろう

入院生活を送る中で運動が健康に大切だと思っていても意欲が湧かない方、体力の衰えなどを感じていても運動のきっかけがない方が数多くいらっしゃいます。

そのような患者さんのために、第二病棟(男子開放病棟)では週に1回、「健康クラブ」と題した筋力トレーニングを行っています。

 筋力を鍛えることは全身の体力向上が見込めるだけでなく、運動をしたことによる程良い疲労感、満足感を得ることが出来ます。

プログラムの実施開始当初は「めんどくさい」「もうすでに疲れているから」といった意見で参加しない方も多かったですが、現在は習慣的に運動をする時間として参加される患者さんも増えてきました。

「継続は力なり」とは言いますが、患者さん一人一人が健康習慣を楽しんで取り組めるような場を作っていきたいと思います。

静養病棟心理プログラム「療養教室」

今回は心理士が行っている静養病棟の集団プログラム「療養教室」をご紹介します。

このプログラムは小グループで行う勉強会で、再発予防を目的とし、主にうつ病について学びます。

先日は「ストレス対処の方法」について勉強しました。

「ストレスとはなにか?」
「ストレスにはどんなものがあるの?」というお話、

現在の自分のストレス状況についての確認、

そして最後は皆さんで以下のような事例検討を行いました。

職場(あるいはご近所)で苦手な人がいる
その人と話すといつもなんだか嫌な気持ちになる
我慢してその場にいることもあるけど、その後はどっと疲れてしまう

こんな時、どのような対処方法をとりますか?

参加者の皆さんからは、

好きなものを食べてたまったストレスを発散する
その人と話すことを回避できるように行動する
周りの人に助けを求める
など様々な案が出され、お互いの意見に頷きあう様子も見られました。

療養教室ではこのように、参加者同士のコミュニケーションも大切にしております。一人ではなかなか考え付かないものも、複数名が集まると色々な視点から様々な意見が集まり、“こんな考え方もあるんだ”とより多角的に物事を捉えられるきっかけに繋がります。

これからも皆さんと一緒にうつ病への理解を深め、ご自分なりの再発予防の方法を見つけていけるようなプログラムを行っていきたいと思います。

ボッチャ大会を行いました

寒い日が続く今日この頃ですが、デイケアではボッチャ大会を行い、みんな熱く盛り上がっていました。

ボッチャは2つのチームに分かれ、先攻チームが白いボールを投げ、続けて赤のボールを投げます。

次に後攻のチームが青いボールを投げます。

そのあと、白いボールから遠いチームが投げて、各チーム6個のボールを投げ終わった時点で白いボールに近いチームの勝ちとなります。負けたチームの1番近いボールの打ち側に入ってるボールの数が得点となります。

デイケアではとても人気のあるスポーツとなっています。

大会では、個人戦やコース対抗の団体戦を行いみんなで応援し楽しんでいました。

病棟レク~カラオケ~

みなさま、こんにちは。女子重度濃厚治療病棟です。

10月末の病棟レクリエーションではカラオケを行いました。

患者さん一人一人が好きな曲を一生懸命歌っておりその姿につられ他の患者さんも手拍子や声援、合いの手をしておりとても盛り上がったレクとなりました。みなさん普段からOTで歌ったりしているからかお上手で驚きました。

カラオケ後には、みんなでパフェを食べました。甘いものが好きな患者さんには好評で「おいしいね」と話しながら仲良く食べている姿が印象に残りました。

 これからだんだんと寒くなっていきますが、その寒さに負けないようスタッフ一同協力し、患者さんの意見を取り入れながら今後も思考を凝らしたレクリエーションを実施していけたらと思います。

開放病棟・心理教育ミーティング

先日、男子開放病棟にて心理教育ミーティングを行いました。

初回は「精神科の症状と治療」をテーマに、『症状』の出てくる背景について知り、また自分の症状について関心を持ってもらうことがねらいとなります。

初めに、精神科の治療の対象となる『症状』について、知っているもの、見聞きしたものをあげてもらいました。

考えてもらっている途中で、ある患者さんが「『症状』って、『病名』・・・とは別ですか?」と質問されました。

なかなか良い質問ですね。実は『症状』と『病名』はなかなか区別しづらいところかと思います。

『病名』は、同じような症状や状態の人をグループ・カテゴリー別にまとめているもの

『症状』は、“どのようなことで困っているのか”、“違和感や不快感があるのか”

になります。

その患者さんはすぐにピンときて

「自分には妄想があって、嫌がらせを受けていると思ってしまって、色々やってしまって・・・」

「でもその前に不安とかイライラもあったかな」

とさっそくご自分のことに結びつけてお話しされました。他の方も「体が動かなくなる」「眠くなる」と振り返られました。

治療について考えるとなると、どうしても『病名』が先走る感はあります。

『症状』(自分の困っていること)に対してどのように取り組んでいけばよいかを考えると、自然とご自身へと関心が注がれていく様子がよくわかります。

さらに『症状』をよくするだけではなく、退院後を見据えてそれを取り巻く“きっかけ”や“原因”にも焦点を当てながら、参加される患者さんの自己理解を深められるよう努めてまいりたいと思います。