「心理の集い」のご紹介

今回は静養病棟で行っている「心理の集い」についてご紹介します。

静養病棟では週に1度、入院集団精神療法「心理の集い」を行っています。静養病棟に多い軽度の認知症の患者様向けに、認知機能の改善、コミュニケーション力の回復、自尊心や意欲の向上を目指したプログラムを提供しています。具体的には、季節の話題(食べ物、植物、行事や出来事)での対話、ゲームやクイズなどを患者様同士、患者様とスタッフとのコミュニケーションを図りながら進めています。
今回は「日本最低気温の日」にちなんで、「寒い日に食べたくなるもの」について皆さんとお話しました。「おでん」「鍋」「鍋焼きうどん」などまさに寒い冬にぴったりな食べ物が話題に上りました。同じ意見の方同士が目を見合わせて笑顔になる様子も見られたり、中にはなかなか思い浮かばず考え込む方もいましたが、一生懸命考えて下さる姿勢、そうして出てきた答えを大切に全員で共有するなど、あたたかい雰囲気で集いは行われています。
今はコロナウイルス感染症対策を取っているため、「心理の集い」も参加者の数や、楽しみにしてくださる方が多い歌のプログラムは取り入れないなど制限がありますが、できる範囲で、参加者の皆さんの有意義な時間になればと工夫しています。

 

心理室の活動

閉鎖病棟SSTについてご紹介します。

SSTとは社会生活を送る上で必要なコミュニケーションスキルを向上させていくプログラムです。
閉鎖病棟SSTでは各々そのコミュニケーションスキルを磨き直し、開放病棟へ行くことを当面の目標として練習に励んでいます。

半年クールで行ってきた練習も3月に入って終盤戦。この半年間で「挨拶」「会話を始める」といった会話の基本から、日常生活にある「頼みごとをする」「断る」といった練習を通して、どのようにすると相手に自分の気持ちが伝わるか、話し合ったり、実体験したりしてきました。

今回のテーマは「文句や苦情に対応する」。
「病棟のテレビの周りに人はいるけれど見ていない様子だったので見たいチャンネルに変えたら怒られてしまった」という場面を想定して、どう対応するかを考えました。


まずはこのような場面があったらどんなふうに自分だったら言いそうか、考えて発表してもらいました。
気づかなかった理由を述べつつ謝罪をし、そしてどのように折り合っていくか……を自ずと焦点に置かれている方が多くみられました。
しかし中には「実際に見ていなかったならいいじゃん」といった意見が出ました。ただ<そのまま相手に返答したときにどのような反応が返ってくるかしら?>とスタッフから返すと「喧嘩になる……」「それに見てなくても聞いている人もいるかもしれないよ」「そっか、でもな……」。自分の気持ちも大切にしたいし、相手との関係でどう保っていくか、戸惑われた方もいましたが、ロールプレイしたり他の人のロールプレイを見て参考にしながら、みなさん自分自身の言葉で伝え方を考えて練習することができました。

今回は少し難しいテーマでしたが、それでも半年という期間を経て積み上げてきたものは大きいなと感じた回でした。

また4月から新しいクールが始まります。4月以降も参加継続される方、また新たなメンバーも加わる予定です。
一つ一つの積み重ねを大切にプログラム内容を考えていければと思います。

SSTプログラム

「SST」とは「ソーシャルスキル・トレーニング」の略で、社会で人と人とが関わりながら生きていくために欠かせないスキルを身につける訓練のことを指します。

今回は、当院開放病棟で週に1度行っているSSTのプログラムをご紹介します。
このプログラムは、患者さんの意欲や主体性、また社会性の向上を目標としてコミュニケーションに焦点を当てた取り組みを行っています。
SSTグループは複数あります。その中には集団の中に入ることに緊張してしまう患者さんもいらっしゃるため、そういう方も皆で楽しい時間を過ごせるよう場に慣れる練習からやっているグループもあります。
写真は、そのグループのメンバーがレクリエーションを行っている場面です。
この日は3文字しりとり、食べ物しりとりなど色々なバージョンでしりとりをしました。
どのテーマでやるかは、その都度患者さんに意見を出してもらいます。“スポーツ名か有名人の名前”でしりとりをするというオリジナル案も出て、皆さん頭をひねりつつ、名案には感嘆の声をあげながら楽しく取り組みました。
週に1回決まったメンバーが集まり同じ時間を過ごすことで、仲間意識が出て交流が生まれます。
患者さんが人と関わって良かったと思える体験を積み重ねられるようスタッフは毎回工夫しながら取り組んでいます。

心理室の活動

今回も閉鎖病棟SSTについてご紹介します。

SSTとは社会生活を送る上で必要なコミュニケーションスキルを向上させていくプログラム。各々にそのコミュニケーションスキルを磨きなおし、開放病棟へ行くことを当面の目標として、閉鎖病棟SSTのメンバーは日々コミュニケーションの練習に励んでいます。

プログラムは「挨拶」や「会話を始める」ことから始まりますが、初めは話をすることさえたどたどしく緊張していたメンバーも、半年のプログラム期間を経て、次第に病棟での生活でうまくコミュニケーションを取れずに困ってきた場面や診察場面などを振り返り、どういったら相手に自分の気持ちが伝わりやすくなるかを自分たちに考え、練習を重ねてきました。

先日行った茶話会ではそんな半年を振り返りながら会食をしました。「もう少し大きい声で話した方がもっと良かったんじゃないの?」とアドバイスしたり、卒業するメンバーは「今度ウォーミングアップのゲームを決めたりする役目を○○くんに託すよ」と残るメンバーにその役割を託していく姿が見られたり。お互いを尊重しつつアドバイスもできるいい関係が築かれ、話に花が咲いていました。

10月~また新しいメンバーでスタートします。まずは新しいメンバーが練習しやすい雰囲気や環境設定をしていければと思います。

集団精神療法

心理室の活動

今回は、当院静養病棟で週に1度行っている集団精神療法の活動について紹介します。

ここでは、入院集団精神療法“心理のつどい”を行っています。静養病棟の入院患者様に多い軽度の認知症状のある方向けに、認知機能の回復をめざしたプログラムを提供しています。

認知症の記憶障害の特徴として、最近のことは思い出せないが昔のことは思い出せるというものがあります(ただし、認知症が進むと昔のことも忘れてしまわれる症状も出てくることもあります)。会では昔を思い出し、言葉にしてもらうことを促すためにさまざまなきっかけを提供しています。

この日はとあるアーティストの記念日でしたのでご紹介しました。アーティストの名前だけだと思い出せなかった方が多かったのですが、音楽を流すとリズムを取り出す方や「あ~」と思い出したようにお声を上げる方もいらっしゃいました。音楽を聴いてからもう一度尋ねるとほとんどの方が聞いたことがあると手を挙げてくださいました。「兄が好きだった」とお話される方もいらっしゃいました。

プログラムの後半では毎回ゲームやクイズを行っています。最近ですと「連想ゲーム」が盛り上がります。司会者がお題を出し、そのお題から連想されるものを患者様に考えていただくゲームです。例えば「おでんの具」というお題で連想されるものを考えた方から早い者勝ちで答えてもらうのです。ホワイトボードを埋め尽くすまでですから、後半は皆さま悩まれるのですが、スタッフのヒントも利用しながら毎回ホワイトボードいっぱいに答えてくださいます。他者と共にゲームを楽しむことも良い刺激となります。

静養病棟での“心理のつどい”では、季節にちなんだ内容や歌、ゲーム、その日に起きた出来事等のご紹介などを通して、四季を感じたりゲームを通して他者と交流したり過去を振り返ったりすることで認知機能の維持や改善、意欲の向上をめざしています。

心理室の活動

第1病棟心理教育ミーティングのご紹介

第1病棟では、心理教育ミーティング(全5回1クール)を行っています。疾病理解と再発予防を目的として、精神科の病気について、薬物療法やストレス、再発のサイン、退院後の生活について考え、学び、自身の体験に照らし合わせながら理解を深めています。

今回は「再発のサイン」をテーマに挙げました。自身の病状や治療経過を振り返りながら、再発予防のため、そしてもし再発のサインが出てきたらどのように対処していくか考えていきます。再発するまえの前兆(サイン)として「思考力が硬くなった(柔軟に考えにくくなった)」「薬を飲んでも眠れないので眠前薬を飲むのをやめてしまった」「仕事に行きたくなくなった」などの意見が上がりました。その背景を伺うと、日々変わらない現状に疲弊したリ、悲観的な気持ちを自覚されていた方が多く見られました。その時点で何かしらの対処ができていればよかったのですが、大抵の方はどうすることもできず、病状・感情コントロールがうまくできなくなり、入院に至ってしまったというプロセスをそれぞれに振り返って頂けたようでした。

このような前兆(サイン)に早めに気づくことで対処の幅が広がります。何より再発しないような取り組みを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

心理室活動報告

平成30年2月分 心理活動報告
今回は当院開放病棟で週に1度行っている「SST(社会技能訓練)」をご紹介します。
このプログラムでは退院後の生活を視野に入れ、地域でより過ごしやすく生活できるよう
主としてコミュニケーションの向上を目指した取り組みを行っています。
日頃は1つのテーマ、例えば「上手に断る」、「わかりやすく言いたいことを伝える」などに沿って
どのようにすれば上手くコミュニケーションできるのかを学び、練習していくことを中心にやっています。
また、実践編として時々皆で病院の外に出て公共機関を利用したり、お店で食事をしたりもしています。
今回の写真は初詣後のカフェでのひとときの様子です。いつもと違う雰囲気の中メンバー、スタッフ間で会話が弾み、楽しい時間を過ごすことができました。患者さんから「またお出かけしたい」「今度は◯◯に行きたい」などの意見があがり次の企画を楽しみにしている様子がうかがえました。
こうした活動を通して人とのコミュニケーションや病院の外への興味が広がることを支援していっています。

心理室の活動

心理室の活動静養病棟『心理のつどい』のご紹介
 静養病棟では入院集団精神療法『心理のつどい』を行っています。静養病棟に多い認知症状のある方向けに、認知機能の回復、自尊心・自立心の向上をめざしたプログラムを提供しています。実際のプログラムでは、「頭の体操」と称したゲームや課題を解いて頂いたり、季節の話題などを提供し、司会者と患者様、患者様同士の相互コミュニケーションが取れるようにしています。

 今回は日付にちなみ、旬の食べものの話題を提供しました。普段外出することが少ない患者様も旬の食材、それにちなんだ思い出を語ることで、生き生きとした表情を見せたり、「今そんな季節なんだねぇ」と季節感・現実感を取り戻す姿が見られました。ゲームでは「『い』で始まる食べ物」を挙げてもらいました。なかなか初めは出てこないのですが、ぽつぽつ出始めると「あ~そういうのがあったわねぇ」と新たな発見をされているようでした。答えが出なくても、言葉を見つけた時の気づきを大切にしてもらっています。そして最後に季節の歌を歌うのですが、このとき一番皆さん張り切っていらっしゃいます。

 今回は季節柄、体調の優れない方も多かったのですが、また皆さんとにぎやかに実のある時間を過ごせればと思っています。

 

 

 

心理室の活動(第一病棟)

今回は、当院急性期病棟で週に1度行っている「心理教育ミーティング」をご紹介します。

このプログラムでは症状、薬、ストレスとの付き合い方、退院後の生活などについて学ぶことで
患者さんが主体的に治療に取り組めるようになることを目指します。
写真は、薬について学ぶ回の様子で、この回では薬剤師が薬の働きや副作用に関する講義をし
患者さんの薬に関する質問に答えます。
日頃はスタッフに聞きにくいことでも、この場では積極的に発言をする患者さんが大勢おり
他の人の意見を参考にできたり、皆も同じような大変さを持っていることを知って
気持ちが軽くなれたりするのはグループのメリットです。

今回も、様々な意見や質問があがり
例えば、「薬を飲んで眠れるようになった」「幻覚を見なくなった」といった意見や
「薬は飲み続けなければいけないのか」「ふらつきや頭痛は副作用なのか」といった質問があり
それに対して薬剤師がコメントや説明をしていきました。

心理室活動

<9月 心理室活動報告>

 今回は閉鎖病棟SSTの活動についてお知らせします。SSTとは社会生活を送る上で必要なコミュニケーションスキルを向上させていくプログラムです。閉鎖病棟SSTでは、開放病棟へ行くことを目指し、たとえば相づち、自分の意見を伝える練習など、様々なコミュニケーションについて練習しています。

先日は、病院に併設されている喫茶店「やすらぎ亭」へ外出し、コミュニケーションの練習を行ないました。各自、「金銭管理、お釣りに間違いがないかの確認」「皆と仲良くしゃべる」「店員さんにごちそうさまと言う。ハッキリと注文する」など事前に外出先で実践したいコミュニケーションの目標を決め、それに向けた練習をした上で当日を迎えました。

メンバーの中には、外出が久しぶりで朝から緊張していたと語る方もいらっしゃいましたが、緊張の中でもしっかりと挨拶をしてお店に入り着席。1ヶ月にわたり練習を重ねてきましたが、なかなか練習通りとはいかない面もあり、例えば注文したものが品切れだったというハプニングもありましたが、予算を考えながら別のメニューに変更するなど臨機応変に行動しながら、好きなメニューを注文することができました。各自の目標も無事に達成でき、おまけにお食事もおいしく頂き、帰りは皆さんにホッとした笑顔が見られました。

閉鎖病棟SSTではこのように時折外出プログラムも交えながら、コミュニケーション力のアップに努め、開放病棟や退院を目指しています。