前頭側頭型認知症(ピック病)は、脳の前頭葉や側頭葉が委縮することにより発症します。
発症初期には記憶が保たれていることが多いようです。
前頭葉は脳の司令塔であり、思考や感情のコントロールを司る部分、
側頭部は主に記憶の保存や聴覚に関係する部分です。
前頭葉と側頭葉がダメージを受けることで発症するため、発症初期から本人に病識はなく、繰り返し行動(常同行動)や、他を気にすることなく、自分の思ったままに行動してしまうといった様子が見られます。
穏やかだった人が怒りっぽくなることや、感情のコントロールが出来なくなるため、
周囲の人から「以前と性格が変わった」と思われることがあります。
こだわりが強く、毎日決まった時間に起きて、決まった時間に食事をして、決まった場所に買い物に行く、散歩をするのも決まった時間で、同じ道を何度も歩くといった常同行動も見られます。
甘いものを欲しがることも多く、食事なども同じ食べ物を好み、異食が見られるケースもあるそうです。
また、自分が思ったままに行動してしまうため、会話中に突然いなくなることや、
今まではなかった反社会的行動(万引きなど) をしてしまうこともあります。
万引きなどの反社会的行動のため、警察の介入が必要となるケースもあり、
家族が本人から目が離せなくなってしまうことがあります。
本人を説得することは困難なため、適切な治療が必要となります。
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次回は、「MCI(軽度認知障害)」についてお話ししたいと思います。
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